ジャスティン・バーレル

秋田のキッドは「一緒にトレーニングに励む仲」

仙台89ERSはバイウィーク前最後となる第22節で秋田ノーザンハピネッツと対戦した。第1戦は得点力不足に陥り56-71で敗れたが、第2戦は持ち前の粘り強いディフェンスで秋田を今シーズン最少得点に抑えて67-61で勝利し、連敗を3で止めた。

藤田弘輝ヘッドコーチが「チーム全員がディフェンスを頑張って、ナイナーズらしい泥臭い試合に持ってこれた」と試合を振り返ったように、ディフェンスでの勝利だったことは間違いない。シーズンハイの25得点を挙げて勝利の立役者となったジャスティン・バーレルも、秋田をリスペクトしつつディフェンスで我慢ができたと強調した。「秋田さんはいろいろなところでミスマッチが作れるし、ズレを生み出す部分で長けているチーム。今回は可能な限り自分のマークマンを正面でとらえて、ズレを作らせないように心がけた。それをしっかり遂行できディからディェンスが成功したんだ」

第1戦は今シーズン3番目に少ない56得点に封じられたことが敗因となった。このオフェンス面のステップアップも勝因の一つであり、この結果に大きく寄与したのがバーレルだった。バーレルは13本中9本のフィールドゴールを成功させ、10リバウンド3アシスト2ブロックショットとマルチな働きを見せた。特にオフェンスが手詰まりの状態でボールを託されることが多かったが、高確率で得点を量産しチームを救った。バーレルは積極的にプレーし、オフェンス面を引っ張っていくつもりだったことを明かした。

「自分がどれだけできるかが重要になると前日にスタッフと話をして、最初からアグレッシブに行くと決めていた。それを体現できて、そのアグレッシブさが良い形で結果に繋がったよ」

そして、この彼の大活躍の裏には、秋田のスタントン・キッドとの関係性が大きく影響したという。「スタントンはシーズンが始まる前の夏の間に自分が経営しているジムに来てくれて、一緒にトレーニングに励んだ仲なんだ。11月のバイウィークの時には、彼と一緒にハワイに行って楽しい時間を過ごした。夏のワークアウトの時も、彼から何度もトラッシュトークを受けたんだ。仲間であり、良きライバルと戦うということで、いつも以上に勝ちたい思いが溢れていたよ」

チームのリーディングスコアラー(平均17.5得点)であるラショーン・トーマスは1月に負ったケガのため、インジュアリーリストに登録されている。得点源の離脱がチームに与える影響は大きく、実際にトーマスが欠場してからの仙台は8連敗と苦戦を強いられ、リーグ再開のタイミングでトーマスが復帰できるかどうかは分かっていない。それでも、バーレルが常にライバル対決と同様のモチベーションでプレーできれば、一つでも上の順位が望め、B1残留の可能性は高まっていく。