ドウェイン・ウェイド

写真=Getty Images

現役ラストシーズンのウェイド、ジャージ交換は慣例に

12月2日、アメリカンエアラインズ・アリーナでジャズを102-100で下した試合後、ヒートのドウェイン・ウェイドは、2年目のドノバン・ミッチェルと抱き合って健闘を称え、ジャージーを交換した。

今シーズン限りでの現役引退を表明しているウェイドにとって、試合後の対戦相手とのジャージー交換は慣例となっている。試合後、両選手はこの夏に頻繁に連絡を取り合っていたことを明かしている。ウェイドは「夏に電話で2時間も話した。最近はメールでのやり取りが多くて、あまり電話で話す選手も少なくなったけれどね。ただ、もう誰とも2時間も電話で話したりはしない」と、笑顔を交えつつミッチェルの姿勢を称えた。

「彼は特別な才能を持っている。ハングリーだし、偉大な選手になりたいという意欲もある。俺も彼と同じくらいの年齢の時に、あのくらい上手かったらなと思うよ。あまり知られていないけれど、彼はディフェンスでも優れている。電話では、1年目や2年目に自分がやっていたこと、目標にしていたことなどを聞かれた。どれもすごく良い質問だったよ」

ミッチェルはウェイドとの対戦をこう振り返っている。「信じられない瞬間だ。試合中は考えないけど、こう振り返ると、自分にとってあこがれだった選手と対戦したんだからね。今年の夏、彼とは頻繁に話した。キャリアのこと、コートでやっていること、いろいろ教えてもらった」

スラッシャー型のミッチェルは、誰よりもウェイドの動きを参考にしていたという。そして、今年の8月には、カリフォルニアでウェイドと1週間の合同トレーニングを行う機会にも恵まれた。「リーグでプレーする以前から一番参考にしていたのはウェイドの映像なんだ。あの1週間は素晴らしかった。たくさん学ばせてもらった」

試合は、100-100の同点で迎えた第4クォーター残り3.2秒にウェイドが沈めたフリースロー2本が決勝点になった。ジャズとヒートはカンファレンスが異なるため、ヒート本拠地での対戦はこの日しかなかった。試合後ウェイドを見つけてジャージーを交換したミッチェルは、「僕にとって特別な瞬間だった」と語った。

「彼を見つけて、ジャージーを交換したかった。彼は歴代最高の選手の一人。今日のような特別なシチュエーションで対戦できるなんて、本当に特別なことだよ」

ウェイドは、引退後も自分の経験や知識をミッチェルに伝えていく意向を持っているという。いつの時代も、偉大な選手から有望株へ引き継がれていくものがある。こうして、次の世代にバトンは繋がっていく。