島根がディフェンスゲームを制してA東京に初の連勝
島根スサノオマジックがホームに東地区2位のアルバルク東京を迎えた第2戦。第1戦で77-67とA東京をロースコアに抑えて勝利したのと同様に、島根の強固なディフェンスが際立ち、66-59で勝利した。これで島根は8連勝となり、西地区単独首位を死守している。
第1クォーターこそ15-15とディフェンシブで拮抗した展開となったが、第2クォーターの残り4分47秒にA東京に得点を許して以降、島根はA東京のシュートミスを誘発してこのクォーターの失点をゼロに抑えた。その間、島根は得点を積み重ねて結果的に15点をリードして前半を折り返した。
第3クォーター序盤に連続失点するも、その後再び島根のディフェンスのギアが上がり、約4分半の間得点を許さなかった。ニカ・ウィリアムスのファウルアウトなどゲームプラン通りではないこともあったが、最後までリードを守り切り、島根が勝利を収めた。キャプテンの安藤誓哉が「昨日に引き続き、ディフェンスゲームになりましたが、試合を通して集中してプレーできました」と語ったように、チームディフェンスを全員が徹底してつかんだ連勝だった。
A東京は今節を迎えるまで10連勝中で波に乗っていた。そんな強豪チームを迎え撃つモチベーションについて安藤はこのように振り返る。「2試合目で戦術どうこうではなく、気持ちの面で負けないようにしました。うまく表現するのが難しいですが、心の準備をしっかりしました」
この試合、安藤はディフェンスの奮闘のみならず、5本の3ポイントシュートを成功させてB1個人通算600本を達成し、17得点と活躍を見せた。ポール・ヘナレヘッドコーチも「安藤はこのチームのキャプテンでありリーダーです。アグレッシブにプレーし、ディフェンスでもプレッシャーをかけてくれチームに貢献してくれています。自分でもシュートを決められるし、周りの選手を生かすこともできます。攻め気を持ってアタックしてくれるとチームとしても良い成績を残せます。A東京は彼の古巣ということもあり、今節は良い結果を残せてよかったと思います」と、話すように安藤に対する期待と信頼は大きい。
チャンピオンシップを見据える安藤「常に優勝するための準備をする」
今シーズンの島根は、リーグの中でも勝率が高い琉球ゴールデンキングス、川崎ブレイブサンダース、千葉ジェッツ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの週末2連戦で、いずれも第1戦に敗北、第2戦に勝利と連敗していない。さらにA東京に連勝したのは今回がチーム創設以来初である。チャンピオンシップ進出が見込まれるA東京に連勝したことを安藤は「A東京のような強豪チームに土曜日に勝ってから日曜日にカムバックさせなかったのは初めてでした。チャンピオンシップを見据えると良い経験になりました」と、チャンピオンシップを意識していることを語った。
安藤にとってA東京は自身が2度のチャンピオンを経験した古巣である。A東京に対して安藤は「チームメートだった選手やスタッフもたくさんいますが、ルカ(パヴィチェヴィッチ)ヘッドコーチが退団したということで色が変わったかなと思います。昨シーズンほどの古巣対決という感覚はなかったです」と、古巣対決に対する特別な感情よりも「チャンピオンシップは最初から見据えています」と力強く語ったように、あくまでチャンピオンシップに照準を合わせた上での一つの過程ととらえている。
「シーズンの3分の2を消化して、最後に自分たちの質を仕上げていかないといけない段階に入ります。リーグの中でチャンピオンシップに進出するチームとしないチームの勝率の差が出てきている中で、自分たちの軸をブラさずにどれだけチャンピオンシップのために戦っていけるかというのが一番大事になってくると思います。リーグが中断する3週間を準備期間として高めていきます」
昨シーズンはチャンピオンシップのセミファイナルで敗退という苦い経験をした。このまま西地区1位で通過し三地区間2位以上であれば、チャンピオンシップのセミファイナルに進出した際のホームコート開催は確定する。この日も松江市総合体育館にはクラブ史上最多の4,214人が来場し、いつも以上の熱気に包まれていた。超満員のホームコートでブースターが背中を後押ししていたのは間違いない。
中断期間が開けるとレギュラーシーズンはあっという間に佳境を迎える。「優勝をするための準備を常にする」という安藤の言葉の通り、クラブ史上最高の結果を出すための戦いはこの中断期間も重要となる。