ジョシュ・ハートとゲイリー・ペイトン2世は放出
トレイルブレイザーズはトレードデッドライン直前に「リラードは売らない」と再度の宣言を行った上で、積極的な動きを見せました。まずジョシュ・ハートをニックスへ放出しましたが、これは4年1億1200万ドル(約150億円)の契約延長オファーを拒否したというジェレミー・グラントを残すべく、来シーズン以降のキャップスペースに空きを作るためだったと思われます。今シーズンを捨てる気はなくプレーオフを目指すものの、現実として優勝は難しい中で未来のことを考えたトレードでした。
グラントが契約延長しなかった場合でも、トレードで加わったキャメロン・レディッシュは確実に残すことができます。プレー機会が少なく安定感を欠くものの、攻守に機能する若いウイングには大きな期待を抱けます。さらにシクサーズからディフェンスのスペシャリストであるマティース・サイブルを獲得したことで、ハートの穴は十分に埋まりそうです。
これでウイングには、レディッシュとサイブルと同じ4年目のナシール・リトル。そして限りない可能性を秘めたドラフト1巡目7位指名のルーキー、シェイドン・シャープが並びます。いずれもオールラウンドにポジションを問わない活躍が期待できる若手で、成長のためにプレータイムは必要ですが、リラードを支える意味でもリラードに生かされる意味でも面白い選手が揃ってきました。
その一方でゲイリー・ペイトン2世をウォリアーズに放出しています。驚くことに2巡目指名権5つとのトレードであり、ハートのトレードで手に入れた1巡目指名権1つとともに、未来への投資も実現しました。チーム力を落とすことなく、可能性を広げるトレードデッドラインの動きとなったのです。
しかし、噂されたビッグマンの補強は実現せず、今シーズンに勝つための戦力アップができたわけではありません。27勝28敗の現状を打破するためには、今まで以上にリラードが新戦力を上手くリードしていく必要があります。平均30.8得点を記録しているリラードですが、勝つためにはアシストの方が重要で、厚くなったウイングを働かせるゲームメークが求められます。
ケビン・デュラントがサンズに加わったこともあってか、西カンファレンスのチームが大胆な補強に動いたデッドラインになりました。現状維持では沈んでいくだけという厳しい競争の中で、ブレイザーズも積極的に動きましたが、結局のところリラード中心という姿勢は変わっていません。