ジョシュ・ハート

196cm以下の選手としてリーグトップの平均8.2リバウンドをここまで記録

現地の複数のメディアが、ニックスとトレイルブレイザーズの間でトレードが成立したと報じている。ニックスはジョシュ・ハート。トレイルブレイザーズはキャメロン・レディッシュ、ライアン・アーチディアコノ、スビ・ミハイリュクと、2023年ドラフトの1巡指名権を獲得。この1巡指名権はプロテクト付きで、もしロッタリーピックとなった場合は、4つの2巡指名権に交換されることになる模様だ。

このトレードの中心人物となっている27歳のハートは、今シーズンここまでの全51試合に先発出場している193cmのガード。平均33.4分のプレータイムで、9.5得点、8.2リバウンド、3.9アシストとブレイザーズの主力を務めてきた。『ESPN』によると、ハートの平均8.2リバウンドというスタッツは、196cm以下の選手としてNBAナンバー1の数字。サイズ不足をコンタクトの強さで補い、複数のポジションを守れるディフェンダーとして評価が高い。一方で、今シーズンはここまで3ポイントシュート成功率が自己ワーストの30.4%に留まるなどオフェンス面で精彩を欠いているが、ディフェンスレーティングがリーグ16位のニックスにとっては、守備のテコ入れとして効果的な補強。ハートはシーズン終了後にプレーヤーオプションを行使すると、今シーズンと同額の1296万ドル(約17億円)の年俸を得られる。

また、ハートは、ニックスの司令塔を務めるジェイレン・ブランソンとはビラノバ大時代のチームメートで、ブランソンが1年生、ハートが3年生だった2016年にNCAAトーナメントで優勝している。ちなみにブランソンは、2018年にもビラノバ大をトーナメント制覇に導いた実績から本日、同校で永久欠番セレモニーに参加しており、式典後にハートのトレード加入を知らされ、満面の笑顔を見せる動画がSNSに投稿された。

今回のトレードでブレイザーズに加入する3選手の中で一番の実績の持ち主は、23歳のレディッシュだ。2019年ドラフト10位指名でホークスに入団したレディッシュは、昨シーズン途中にトレードでニックスに加入。しかし、今シーズンは現地12月3日を最後にプレーしておらず完全に構想外となっていた。また、レディッシュは今シーズンがルーキー契約の最終年となっており、シーズン終了後には制限付きフリーエージェントとなる。

現在、27勝28敗のブレイザーズは、まだプレーオフを狙える位置にいる。それでも主力の一員であるハートを放出し、ニックスで出場機会を失ったレディッシュを獲得した。ブレイザーズの首脳陣はそれだけレディッシュの潜在能力を高く評価しているのか、はたまた早くも来シーズン以降を見据えているのか。ここから新たな動きがあるのかにも注目だ。