ディアンジェロ・ラッセルにとっては2017年以来のレイカーズ復帰に
現地2月7日のサンダー戦、レブロン・ジェームズがNBA通算得点の新記録を打ち立てた裏側で、ラッセル・ウェストブルックとレイカーズの関係は破綻したのかもしれない。64-74とリードされた前半残り1分、ウェストブルックは自分をベンチに下げるダービン・ハムの指示に不満な素振りを見せた。ハーフタイムのロッカールームでは、短い時間ではあったが指揮官と激しい言葉の応酬があったという。
これまでウェストブルックは、15年のNBAキャリアでルーキーイヤー以来となるベンチからの起用を受け入れ、ハムのバスケを機能させるべく攻守に奮闘してきた。ファンもこの献身ぶりを認め、戦犯扱いだった昨シーズンから評価をポジティブなものへと変えていたのだが、レギュラーシーズンの折り返し地点を過ぎても勝率5割に届かない不振の中で、誰かを戦犯として見なければならなくなると、そのターゲットは再びウェストブルックとなった。
プレータイムが減り、試合展開によって投入される難しさも加わる中で、ウェストブルックは15.9得点、6.2リバウンド、7.5アシストを記録。「いついかなる状況でも自分のベストを尽くす」という言葉通りのプレーを続けながらも結果が伴わないことにフラストレーションが溜まるのは当然のこと。それに加えて評価もされないのであれば、怒りも感じるだろう。
レイカーズはトレードデッドラインを前に八村塁を獲得したが、その後も戦績は3勝4敗と上向いておらず、プレーオフ進出のためにさらなる補強を必要としていた。そして、ウェストブルックと指揮官の衝突がトレードを加速させた。
『ESPN』によれば、レイカーズとジャズ、ティンバーウルブズとの3チーム間トレードが合意に至ったという。レイカーズはウェストブルックに加えてホワン・トスカーノ・アンダーソンとデイミアン・ジョーンズ、2027年の1巡目指名権をジャズに譲渡。ウルブズはマイク・コンリーとニキール・アレクサンダー・ウォーカー、2巡目指名権を3つを手に入れる。そしてレイカーズは、ウルブズからディアンジェロ・ラッセル、ジャズからマリーク・ビーズリーとジャレッド・バンダービルトの3名を獲得する。
ウェストブルックの新天地は再建1年目ながら27勝28敗と健闘中のジャズとなるが、それでも若手中心で再建に乗り出したジャズの中長期的なチーム作りには合わないため、今夏にフリーエージェントとなるのを待たずに契約をバイアウトして、すぐに新たなチームに加わる可能性がある。ジャズとしては、来シーズン2430万ドル(約32億円)の契約が残るコンリーらの放出でロスターを身軽にして、再建を一歩進められるのがメリットだ。
そしてレイカーズには、ディアンジェロが2017年夏以来の復帰を果たすことになる。ディアンジェロは2015年に1巡目2位指名を受け、レイカーズでデビューした選手。2年でトレードに出されたが、その後ネッツ、ウォリアーズ、ウルブズで経験を積み、契約最終年を迎えていた。ビーズリーもバンダービルドも今回のトレードデッドラインで注目された選手。ラッセルとビーズリーは26歳、バンダービルドは23歳で、先に獲得した八村も24歳と、チームの若返りを図るとともに即戦力として期待できる選手が集まったことになる。
トレードデッドライン直前、まだまだ大きな移籍は起こりそうだ。