カイリー・アービング

指揮官はドンチッチとカイリーのコンビに期待「大きなアドバンテージだ」

ネッツからマーベリックスへとトレードされたカイリー・アービングが、マブスの一員として初めての会見に臨んだ。古巣ネッツに対して彼は「尊敬されていないと感じた」と話したが、「僕は名指しで誰かを批判しない。メディアに告げ口するような人間じゃない。このエンタテインメント・ビジネスでは人を軽んずることが多いけど、僕はそれに反対だ」と多くを語ろうとせず、こう続けた。

「僕はネッツの誰にも個人的な恨みはない。これまで在籍してきたクラブでそうであったように、チームメートとの友情は続いていくだろう。僕は幸運にもマブスでチャンスを得ることができた。みんなコート外のことばかり話題にするけど、それを変えたい。僕が僕自身の物語を作り、ただ練習場での準備を続けていきたい」

同じくマブスの指揮を執るジェイソン・キッドも、今回のトレードについて会見で語っている。現役時代のキッドは、2001年から6シーズン半、当時のニュージャージー・ネッツで過ごし、チームを2度のNBAファイナルへと導いている。ニュージャージーで成長したカイリーにとってキッドはあこがれの存在だったそうだ。2人は共通のパーソナルトレーナーの下でトレーニングをしており、これまでも親交があった。

ルカ・ドンチッチというスーパースターを擁しながらも、彼を支えるタレントを欠いていたマブスにとって、カイリーの獲得はチーム浮上の大きな要素となる。指揮官キッドは「ルカだけでなく他のチームメートにとっても、カイリーの獲得は非常に大きい」と言う。

ドンチッチとカイリー、ともにボールを持ってプレーするスター選手のコンビが機能するのかどうか、との問いにキッドは、キャバリアーズ時代のカイリーがレブロン・ジェームズと一緒にプレーしてNBA優勝を勝ち取ったことを例に挙げる。

「レブロンのプレースタイルはよくルカと比較される」とキッドは言う。「カイリーは世界最高の選手たちと一緒にプレーし、成功を勝ち取ってきた。ルカがすべてのプレーを負担せずに活躍できる機会、他にもウチにとって様々な可能性をカイリーは与えてくれる」

「(ジェイレン)ブランソンのようなプレーメーカーがウチには必要だ。ブランソンを悪く言うつもりはないが、カイリーはレベルが違う。ウチはルカがダブルチームを受けることが多く、そこでカイリーはチャンスを得ることができる。ウチにとっては大きなアドバンテージだ」

一方で心配なのは、ドンチッチもカイリーもディフェンスで精力的に働くタイプではないこと。しかしキッドは「ディフェンスの重要性は常に説くつもりだが、オフェンスで相手に脅威を与えられると思う。130点、140点を取るゲームについてくるのは簡単じゃないからね」と言う。

現地2月8日、敵地でのクリッパーズ戦でカイリーは新天地でのデビューを飾る予定。ただ、ドンチッチはかかとのケガで欠場が見込まれており、2人が揃ってプレーするのは現地10日のキングス戦となりそうだ。