ジャマール・マレー

マレーはホークス戦で41得点、3試合連続でチームハイの得点を記録

今シーズン開幕から勝率トップを独走していたセルティックスに、ナゲッツが37勝16敗で並んだ。現地2月4日のホークス戦では、第1クォーター終盤からリードを守り通して128-108と完勝を収めた。勝利の立役者となったのは41得点のジャマール・マレーだ。ペリカンズ戦で32得点、ウォリアーズ戦で33得点、そしてこの試合では膝十字靭帯断裂の大ケガから復帰して初となる40得点越えと、3試合連続でチームトップの得点を挙げている。

試合後の会見で、ウォーミングアップ中にファンから「今日は40点取ってくれ」と言われたことをマレーは明かす。その時は「やってみるよ」と答えたそうだ。

「何かを変えたわけじゃない。すべていつも通りやっただけさ。まだ簡単なシュートを外すこともあるけど、少しずつ良いプレーができるようになっている。僕はただアグレッシブに、そして自由にプレーするだけ。そういう意味でゲームプランには何の変更もない。ただプレーして打つ、今の僕にはそれが一番大事なんだ」

2シーズン連続でMVPを受賞しているニコラ・ヨキッチは、極めて安定したパフォーマンスを見せており、このホークス戦では14得点18リバウンド10アシストを記録。出場45試合目にして、すでに今シーズン18回目のトリプル・ダブルを記録している。マレーがケガで不在だった1年半と比べると、今はマレーの得点が計算できる分、ヨキッチが毎試合で大量得点を狙いに行く必要がなく、プレーメークも得点もできるオールラウンドな能力がより発揮しやすくなっている。

マレーが膝を壊して長期欠場することになり、前シーズンにカンファレンスファイナルまで進んだチームは解体されてもおかしくなかったが、彼が復帰に向けた努力をしている間にヨキッチはさらなる高みに到達し、チームはロスターを分厚く強化した。アーロン・ゴードンはペイントエリアを中心に常にエナジー満点でヨキッチと良い関係を作っているし、マイケル・ポーターJr.も腰のケガの影響が少しずつなくなっている。ケンテイビアス・コールドウェル・ポープは質の高いバランサーで、個性派が揃うチームに足りない仕事を常に補ってくれる。

東カンファレンスはセルティックスが頭一つ抜けている一方で、西カンファレンスは大混戦と言われてきたが、気付けば2位グリズリーズに4.5ゲーム差、3位キングスには7ゲーム差を付けるナゲッツの独走態勢となっている。ヨキッチとマレーに加えて分厚い戦力がある今のナゲッツは、現時点で優勝を狙えるチームでありながら、ケミストリーの面でもマレーやポーターJr.のコンディションの面でも、さらなる成長も見込める。

すでにプレーオフに目線を向けても良い状況だが、マレーは「シーズンが終わるまで、成績は全く気にしない。僕にできることは次々にやって来る目の前の試合に集中して、良いプレーをすること。僕らはどんなチームも軽視せず、常に万全の準備をして試合を迎えたいんだ」と言い切る。

マレーが前回に40得点を越えたのは2021年2月のキャバリアーズ戦で、その時は50得点を記録している。今がいくら好調でも、彼の中で「まだまだできる」という思いは収まらないのだろう。それがマレーの、そしてナゲッツの伸びしろであり、他のチームにとっては脅威となる。