ディフェンスではローが河村にマーク、高さのミスマッチを生かして河村封じに成功
2月4日、中地区首位の横浜ビー・コルセアーズと東地区首位の千葉ジェッツが対戦した。地区首位対決ということはもちろん、Bリーグを代表するポイントガードの河村勇輝と富樫勇樹の『ゆうき対決』などで大きな注目を集めた本カードの第1戦は、ゲームハイの26得点を挙げた富樫を筆頭にオフェンスが爆発した千葉Jが98-75で快勝した。
まず、試合の主導権を握ったのは千葉J。ピック&ポップでフリーとなったギャビン・エドワーズが3ポイントシュートを決めて先行すると、リーグのリバウンドリーダー(12.0本)であるジョン・ムーニーがセカンドチャンスをモノにしてさらにリードを広げた。ディフェンスでは、スコアリングガードの河村に対して、201cmのヴィック・ローがマークにつくことで、高さのミスマッチを作ってアウトサイドシュートやアシストを封じる。河村を起点としたオフェンスが作れず得点が停滞する横浜BCを尻目に、千葉Jが原修太の長距離砲を含む10-0のランに成功。クォーター終盤に、河村のアシストでイージーシュートを許すも、13点リードで最初の10分を終える。
ここまでシュートチャンスを作るも、強度の高い千葉Jのディフェンスの前に決め切れない時間が続く横浜BCは、第2クォーターにポイントガードの森井健太と河村を同時に起用して、これまで以上にスムーズなボールムーブを展開。すると、スペースが広くなったことで、ウイングの松崎裕樹や須藤昂矢が3ポイントシュートに成功する。8点差で迎えたオフィシャルタイムアウト明けに、富樫の連続得点で再び突き放されかけるも、河村がトランジションスリーをお返し。その後も、このクォーターだけで10本中6本と精度高く長距離砲を沈めた横浜BCがテンポ良くシュートを決め続けて、7点ビハインドで第2クォーターを終えた。
わずかにリードを縮められて試合を折り返した千葉Jは、「河村選手はボールスクリーンからの3ポイントシュートが脅威的なので、後半からは1on1じゃなくてチームで守ることを意識してアジャストすることができた」と千葉J指揮官のジョン・パトリックが称賛するように、前半に続いて河村をマークするローを筆頭としたチームディフェンスで、第3クォーターの河村を無得点に抑える堅守を見せる。オフェンスでは、原が河村とのミスマッチを突いてファウルを誘うなど攻撃の起点となってリードを拡大する。さらに、富樫がトランジションスリーや鋭いドライブなど、持ち前のオフェンス力を発揮し、このクォーターだけで4本の3ポイントシュートを含む18得点の荒稼ぎを見せた。こうして攻守がガッチリ噛み合った千葉Jは約3分間で17-0の怒涛のランを繰り出し、第3クォーター終了時点で32点差をつけて早々に勝負を決めた。
快勝した千葉Jのパトリックヘッドコーチは次のように試合を振り返った。「今日は大切な勝利だったと思います。(ディフェンスでは)全員が相手にプレッシャーをかけることができました。横浜にパスの余裕を持たせないようにハンズアップができていたと思います」
また、千葉Jの堅守の前に平均以下の14得点に留まった河村は「完敗だなと思います。千葉さんが得意とするトランジションオフェンスやリバウンドで苦労してしまい、なかなか自分たちのバスケットができませんでした。現実を受け止めて、明日は絶対やり返したいと思います」と、明日の第2戦に向けて闘志を燃やした。