大倉颯太&八村阿蓮×ベンドラメ礼生

取材=鈴木健一郎 写真=幡原裕治 協力=バスケットLIVE

今週末は日本代表ウィークを終えてBリーグが再開。そして週明けの12月10日からは全日本大学バスケットボール選手権(以下インカレ)が始まる。今回は関東大学リーグを制してインカレ優勝に燃える東海大の1年生コンビ、大倉颯太と八村阿蓮がサンロッカーズ渋谷のベンドラメ礼生を訪問。青学記念館での試合を観戦し、インカレ優勝経験のあるベンドラメと対談してもらった。

成長のキーワードは「責任感」

──まずは大倉選手と八村選手が所属し、ベンドラメ選手がかつてプレーした東海大シーガルズについて教えください。大学の強豪チームの中でも、とりわけプロのトップレベルで活躍する選手を数多く輩出していますが、その理由をどう考えますか?

ベンドラメ プロを目指す選手がたくさん集まって、そこで切磋琢磨するからだと思います。僕もレベルの高いところに入って1年生から試合に出て、上級生を抑えて自分が出る時間帯を増やしていきました。うまく行かないことも多かったですけど、たくさんミスをする中で成長できたと思います。悔しい時もうれしい時もいっぱいあって、すごく良い経験ができました。

大倉 礼生さんも言ったように、僕も今は先輩が出れなくて自分が出ている状況で、それだけ責任があると思っています。先輩より努力しなきゃいけないし、出るからには自分の役割を果たさなきゃいけない。その責任感がすごく強くなったと春から感じます。

八村 自分も大学に入ってすぐの時はケガをしていて試合に出ていなかったんですけど、復帰してからプレータイムを多くもらえて、そこでプレータイムをもらえる分、自分の役割を全うしようとしています。

ベンドラメ 2人は良いことを言いましたよ。責任感ですね。責任感を感じることでより成長できるし、逆に下手なことはできません。1年生というだけでプレッシャーがあるのに、先輩より出ている責任感があって、僕も1年生の時が一番プレッシャーを感じたと思います。

大倉颯太&八村阿蓮×ベンドラメ礼生

八村「一生懸命やっているところを見てもらいたい」

──ベンドラメ選手は2年の時にはもう大学No.1プレーヤーだと評判だったと記憶しています。

ベンドラメ 名前がカタカナで印象に残っただけじゃないですか(笑)。目立っていたかもしれませんが、それは先輩たちのおかげで、良いタイミングでシュートを打って決めて、印象に残るタイミングで結果を出していただけです。毎日が学びの場で、No.1と思ったことはないです。

──3人とも、タイプは違っても『魅せるプレー』が持ち味だと思います。見る者を魅了する自分のプレースタイルについてどう思いますか?

大倉 僕は魅せるプレーヤーだとは思ってないんですけど、練習してて意思疎通があれば、ちょっとスキルがあればオシャレなことはできます。そういうのは試合中にやっちゃいますね。

ベンドラメ かっちょいい。魅せるつもりはないけど魅せちゃう、みたいな?(笑)

大倉 違います(笑)。

ベンドラメ でも能力は2人ともすごく高いと思います。ハッちゃんのダンクシュートは一つの魅せるプレー、武器じゃないかなと思います。

八村 僕はそんなにドリブルとかつけないですし、魅せるプレーはないと思います。自分なりに一生懸命やっているところを観客の皆さんに見てもらいたいと思っています。

大倉颯太&八村阿蓮×ベンドラメ礼生

ベンドラメ「今この時間帯、自分に何ができるか」

──今日はベンドラメ先輩のプレーを見て刺激になったのでは?

大倉 チャンスが来た時には絶対にシュートを狙っていましたね。3ポイントシュートを5本決めてて、チームとして得点が欲しかった時間帯、相手のゾーンディフェンスで中で点数を取れない分、外で点数が欲しかった時に、チャンスを逃さずに礼生さんがシュートを決めていたので、マジですごいと思いました。

ベンドラメ 照れます。先輩を横にして褒めるって難しいのに(笑)、ありがとう。

八村 大事な場面で常にシュートを狙っているからこそ、ああいう場面でシュートを決められるんだと思います。どうやったら常にシュートを狙い続けられるのか、っていう。

ベンドラメ 自分がチームの中心で攻めているというのもある。大学生で1年生だと遠慮しがちだけど、1年生の時から結構積極的に、自分のタイミングでシュートを打っていたから。それこそソウちゃんは狙う側だと思うし、ハッちゃんは良いタイミングでリバウンドを、ああいう試合終盤の1本のリバウンドがすごく大事だから、そこで1本リバウンドを取るだけでも盛り上がりも違うし。今この時間帯、自分に何ができるかっていうのは常に考えています。

大倉 礼生さんはシュートと同じくらいバックカット狙っていますよね。

ベンドラメ そうだね。常に裏を突くことを狙ってるかもしれない。ああいう時間帯ってディフェンスもボールだけを見がちだし。もっと今自分がこうしていきたいなって思うのは、やっぱり残り2、3分で24秒使い切って攻めることが多い。その時にシュートフェイクはすごく良いなって思う。ウチのチームにはライアン・ケリーがいて、すごい賢いから、あの時間帯にシュートを打つだけでも絶対に相手が飛んでくるから、そこで冷静に飛ばして身体を当ててフリースロー2本とかでもすごい。そこは自分で学び取って、もっと良くしていきたいところ。

大倉颯太&八村阿蓮×ベンドラメ礼生

大倉「東海のバスケットが出せれば勝てる」

──ベンドラメ選手が大学時代を振り返って、やっておけば良かったことはありますか?

ベンドラメ プロの試合とかうまい人のプレーはもっと見ていたほうが良かったです。今の高校生、大学生は本当にうまいと思うんですよ。バスケットLIVEだったり、簡単にスマホでプロの試合やうまい人のプレーがチェックできるので。僕の当時はそんな環境がなかったので、会場に足を運ばないといけなかったけど、今はすごく見やすくなっていて、その影響でスキルも上がってると思います。すでにレベルはすごく高いと思うんですけど、うまい人のプレーをもっと見てたくさん学んだらもっと良くなると思います。

──インカレの抱負を教えてください。

八村 リーグ戦は1位を取れたんですけど、最終目標はインカレ優勝なので、満足せずに大会を迎えたいです。ここからが大事なので、インカレまでに一生懸命練習して優勝したいです。

大倉 リーグは優勝できたんですけど、シーズン初めの時の目標としている東海のバスケットがまだ出せていません。それを出せれば勝てると思っています。インカレで優勝することは絶対ですけど、より東海らしい試合ができるようにこれからやっていきたいです。

──お2人への激励の言葉をお願いします。

ベンドラメ リーグ優勝したことはすごく良いことだと思います。インカレは1戦1戦が勝負だから、ここから本当に少しの間しかないと思うから、1カ月すべての行動をインカレのために捧げるじゃないけど、1カ月だけでいいからこの1年の中で一番バスケットに懸けてもいいと思います。それこそ僕が1年、2年の時は優勝できたけど、3年、4年では決勝で負けてるから。あの時こうしておけば良かったなっていうのもあるし、その1カ月間ちゃんとバスケットに集中できてたかなって考えると、どこかでちょっと休みたいっていう気持ちもあったかもしれないから。この1カ月だけに全力を注いでインカレ。トーナメントだから1戦1戦が勝負だから、勢いに乗ったチームが優勝すると思うから、そこは頑張ってほしいと思います。

大倉&八村 ありがとうございます。