サボニスをトレードで獲得、ブラウンヘッドコーチの招聘など見事な補強を遂行
長らく低迷が続くキングスだが、今シーズンは開幕4連敗と出遅れたものの11月に7連勝を挙げて持ち直すと、そこから順調に白星を積み重ねている。現在は28勝21敗で西カンファレンス3位に立ち、2006-07シーズン以来となるプレーオフ出場への期待が大きく高まる結果を残している。
チーム再建に大きく寄与しているのが2020年にGMに就任したモンテ・マクネアの存在だ。昨シーズン途中に、リーグ屈指の若手ガードであるタイリース・ハリバートンを放出し、ペイサーズから万能ビッグマンのドマンタス・サボニスを獲得する大型トレードを実行。今シーズンのサボニスはここまで平均18.5得点、12.4リバウンド、7.1アシストと攻撃の起点として大活躍中だ。
また、ハリバートンの穴を埋める先発候補として7月にホークスからトレードで獲得したケビン・ハーターもともにキャリアハイを更新する平均15.3得点、3ポイントシュート成功率40.8%を記録し、活躍している。新戦力がうまくフィットしたキングスは、司令塔のディアロン・フォックスを軸にしたアップテンポなオフェンスでリーグトップの平均得点をマーク。そして、今シーズンから就任した、堅守の構築に定評のあるマイク・ブラウンの下、リーグ平均には劣るものの昨シーズンに比べてディフェンス面も改善している。
このようにマクネアGMが昨シーズン途中から行った選択が続けて成功しているからこそ、今のキングスの躍進があるといっても過言ではない。だからこそ先日、マクネアGMが3年の延長契約を結んだことはキングスのこれからにとって大きな意味を持っている。
マクネアGMは選手たちからも絶大な信頼を寄せられており、地元紙『サクラメント・ビー』の取材に対応したフォックスも今回の契約延長をポジティブにとらえている。「素晴らしいことだね。組織に一貫性をもたらすことができる。これまでマクネアGMの契約延長がなかったことをチームにとって最後の心配事にしたい。チームの誰もが、少しでも自分の職の安全が確保させていることを知りたいと思うものだよ。それが分かれば仕事はよりはかどっていく」
そして、マクネアGMによるオフの補強を絶賛し、彼への厚い信頼を強調する。「彼は今のゲームで必要とされるシューティング、スペーシングの要素をチームに加えてくれた。だからオフシーズンは、チームとして素晴らしい仕事ができたと思う。彼は僕の考えを聞いてくれるし、チームがより良くなるために何が必要なのかを教えてくれる。このように話を聞いて、勝利の手助けをしてくれる人がいるのは素晴らしいことだよ」
マクネアGMの的確な補強で生まれ変わったキングス、悲願のプレーオフ進出に向け視界良好と言える。