最大2桁ビハインドも、河村の長距離砲とインサイド陣の粘り強さで競り勝つ
1月29日、横浜ビー・コルセアーズと京都ハンナリーズが対戦した。第3クォーターまで2桁のビハインドを背負った横浜BCは、得意のトランジションオフェンスを繰り出したことで第4クォーター序盤で同点に追いつくと、残り20秒に試合を通してインサイドで存在感を発揮していたチャールズ・ジャクソンがオフェンスリバウンドから決勝点を決め、79-78で勝利した。
試合開始からお互いに素早いキャッチアップで速攻を許さない好守を見せる締まった展開に。開始1分半に横浜BCの河村勇輝が3ポイントシュートで均衡を破ると、京都もジェロード・ユトフがトランジションスリーを決めるなど一進一退の攻防が続く。しかし、横浜BCが京都の素早いマッチアップに面を食らい持ち味のトランジションバスケを繰り出せず得点が伸び悩む中、京都はシェック・ディアロのインサイドプレーを中心にゴール下のイージーシュートやセカンドチャンスポイントで上回り、21-17で最初のクォーターを終える。
第2クォーター、京都はロイ・ラナヘッドコーチが「しっかりカムバックしてディフェンスでベストを尽くしてくれました。横浜さんのような相手にここまで抑え込めたのは良かったと思います」と称賛するように、第1戦で21失点を喫したファストブレイクポイントを、前半は3失点に抑えるなど堅いディフェンスを披露した。オフェンスでは、ピック&ロールでミスマッチとなったユトフがアウトサイドシュートやポストプレーを駆使して連続得点に成功。ユトフの得点から流れに乗った京都は、2-3ゾーンを含むチェンジングディフェンスも機能したことで残り4分に10点のリードを得る。クォーター終盤に、インサイドで粘りを見せるデビン・オリバーのフローターや河村勇輝のタフスリーが決まってリードを縮められるも、前半を通じて横浜BCの足を止める堅守を見せた京都が7点リードして試合を折り返した。
第3クォーターに入ると、横浜BCは前半沈黙していたトランジションによる得点で幸先良くスタートする。ディフェンスでは、バックコートからプレッシャーをかけることで相手のターンオーバーを誘い、イージーシュートを成功させてビハインドを縮める。また、パトリック・アウダやジャクソンらインサイド陣を中心に第3クォーターだけでペイントエリアから18得点を挙げて残り2分に9-0のランに成功。残り1分を切った場面では、河村がディープスリーを沈めて1点差まで迫って最終クォーターへ突入した。
インサイドからの得点で京都を猛追した横浜BCの勢いは第4クォーターに入っても止まらず、開始1分に河村が5本目となる3ポイントシュートを沈めて第1クォーターぶりにリードする。しかし、京都もユトフを起点としたオフェンスで取り返すなど一進一退の攻防が残り1分を切るまで続いた。
同点で迎えた残り56秒、アウダのリバウンドからセカンドチャンスを得た横浜BCは、河村のドライブに合わせたジャクソンが豪快なダンクを決めて2点のリードを得る。しかし、その後のディフェンスで満田丈太郎に3ポイントシュートを決められて再びビハインドを背負う。残り23秒、ボールをコントロールする河村がステップバックで3ポイントシュートを打つもリングに嫌われ万事休すかと思われたが、ジャクソンがユトフとのリバウンド争いに競り勝ち、ゴール下のイージーシュートを沈めて再逆転に成功。そして残り10秒、森井健太が値千金のスティールでシュートを打たさず、1点差で逃げ切った。
接戦を勝ち切った横浜BCの青木勇人ヘッドコーチはこのように試合を振り返った。「追いつくのが難しい試合でした。本当に我慢の展開が続く中、選手一人ひとりが最後まで仕事を全うしてくれて勝利することができました。また一つ殻を破るような試合ができたと思います。とは言っても、まだまだ改善点はあるのでしっかりクリアにしながら次節の千葉戦に挑みたいと思います」
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