アレックス・カルーソ

トレードデッドライン前のテコ入れは必須、その状況で痛すぎる連敗

ブルズの苦戦が続いている。

昨シーズンのブルズはデマー・デローザンとロンゾ・ボールを獲得し、ザック・ラビーンやニコラ・ブーチェビッチと並ぶ豪華な戦力が噛み合い、長きに渡る再建を終わらせて東カンファレンス6位でプレーオフに進んだ。

しかし、躍進の昨シーズンも振り返ってみればオールスター以後は8勝15敗と失速しており、プレーオフでもファーストラウンドでバックスに完敗。昨シーズンのロスターに大きく手を加えず今シーズン開幕を迎えたが、昨シーズン後半の低調ぶりを引きずり、ここまで22勝26敗と躍進の再現はならず。今のブルズは機能しておらず、ここから巻き返してプレーオフに進むにはチームに大きな上積みが必要となる。

その状況でブルズはタイリース・ハリバートン欠場のペイサーズに敗れ、下位のホーネッツにも終盤に突き放される力負けを喫した。

ペイサーズに敗れた後、デマー・デローザンは「この悔しさを次の試合まで持ち続け、相手にぶつけなければいけない」とコメントしたが、その言葉通りにはならなかった。ホーネッツ戦は第4クォーター途中まで点差の離れない接戦で、ここからギアを上げて相手を突き放しにかかる時間帯に、相手にそれをやられた。ゴール下はメイソン・プラムリーに支配され、テリー・ロジアーに勝負どころで得点を奪われ続け、結果的に96-111と大差で敗れることとなった。

トレードデッドラインを前にチームをどうすべきかとの問いに、アレックス・カルーソは「正直、どうしたらいいか分からない。だから僕はフロントで働くんじゃなく、選手としてプレーしているんだ」と言う。

「このチームには優れたメンバーが揃っている。ベストの状態であればリーグでも最高のチームの一つになれると思う。それを示した場面は何度もあったし、あとはその基準を維持すればいいはずなんだ。チームに起きる変化が何であれ、プレーする選手がその基準に沿ってプレーできるかどうかが大事になる」

昨シーズン終盤から密やかに、そして今シーズンからはそれなりに大きな声で、ブルズにはリーダーシップの欠如、デローザンとザック・ラビーンの相性の悪さが指摘されている。これをトレードで解消しようとすれば、ベンチの若手の放出では足りず、コアメンバーにまで手を入れる必要が出てくる。

ブルズのトレードを巡る話としては、ブルズの補強よりもこのチームで機能していないが才能ある選手を他のチームが引っ張っていく話になりがちだ。『NBC SPORTS』はカルーソには複数のチームからオファーが届いていると報じている。契約最終年を迎えているニコラ・ブーチェビッチも、引き留められないのであればトレードだとブルズは判断するかもしれない。

ブルズは岐路に立っている。その間に一つでも勝利を挙げればムードは変わるのだが、ここでの連敗でチーム周辺の雰囲気は非常に重い。