レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスと並んで先発起用の可能性も
トレードデッドラインを前にした大型移籍の一つ目は、ウィザーズの八村塁だった。現地1月23日、『The Athletic』と『ESPN』がほぼ同時に八村塁のレイカーズ移籍決定を報じた。ケンドリック・ナンと2巡目指名権3つとのトレードとなる。
八村は2019年の1巡目9位指名でウィザーズに加わり、4年目のシーズンを迎えている。最初の2シーズンはスタメンだったが、昨シーズンからはベンチに回り、パワーフォワードではクリスタプス・ポルジンギス、スモールフォワードではカイル・クーズマが先発の座を固めて、出場機会が限られたものになって。現地21日のマジック戦ではキャリアハイに並ぶ30得点を記録したが、その試合後に「バスケットボール選手としての僕を必要としてくれるところに行きたい」と、実質的なトレード志願とも受け取れる発言をしていた。
レイカーズはレブロン・ジェームズにアンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックを擁するスター軍団だが、今シーズンはここまで22勝25敗で西カンファレンスの12位と大苦戦。パワーフォワードのデイビスの負担が大きく、彼の戦線離脱でレブロンの負担も増していた。それでも最近の成績は持ち直しており、ここには控えフォワードでプレータイムの少なかったホワン・トスカーノ・アンダーソンやウェニェン・ゲイブリエルが出場機会を増やし、攻守にエネルギーをもたらしてペースを上げたことが大きい。
八村に求められるのは、この役割をさらに強化することだ。八村は決して戦術的に幅広い器用さがあるわけではないが、レブロンやウェストブルックのプレーメークの下で運動量とシュート力を生かすことができる。パワーフォワードでデイビスに続く2番手の起用が予想されるが、デイビスをセンターにおいての八村スタメンも考えられる。
いずれにしても、レイカーズを立て直す戦力として大いに期待されて八村はNBAで最初の移籍を経験する。活躍の場を勝ち取れるチャンスは十分にあるし、レブロンと一緒にプレーすることで多くのものを得られるはず。即戦力として結果を求められる中、ウィザーズのバスケしか知らない八村がレイカーズのスタイルに順応するのは簡単ではないが、ウェストブルックにトーマス・ブライアント、トロイ・ブラウンJr.と元チームメートがいるのも心強い。
『ESPN』のアドリアン・ウォジロナウスキ記者は、レイカーズは今シーズン終了後に八村と再契約を結ぶだろうと予想している。潜在的な価値のある2巡目指名権を複数手放してでも、レイカーズは今シーズンのチームのテコ入れのために八村を獲得した。八村としてはここ2年は控え選手として停滞した自身の市場価値を、シーズン後半戦の活躍で引き上げ、良い条件で新契約を勝ち取りたい。
今回の移籍は八村にとってキャリアを切り開く大きなチャンスとなりそうだ。