延長にもつれる激戦を制す「追いつかれそうになっても粘り切れたのが大きかった」

1月22日、サンロッカーズ渋谷はホームで三遠ネオフェニックスとの第2戦に挑んだ。コンディション不良や負傷によってロスターが8人と苦しい状況の中、同地区のライバルと互角以上に渡り合い、オーバータイムの末に103-93で勝利をつかんだ。

第1戦はペイントエリア内での得点が26-38と突き放されてしまい、インサイドから主導権を渡してしまったが、この日29得点14リバウンドでダブル・ダブルのジェームズ・マイケル・マカドゥと27得点9リバウンド2ブロックのケビン・ジョーンズを筆頭にゴール下を譲らず、ペイントエリア内の得点は42-48とわずかに劣るも、総リバウンド数は41-40、セカンドチャンスポイントは15-10と上回った。三遠の強力なインサイド陣に対して、1on1を何度も仕掛けて内外から得点を量産したジョーンズは次のように話した。「チームが勝つためにやらなければいけないことをすべてやるつもりで試合に挑みました。試合に出るからにはアグレッシブにプレーをします。チームメートがシュートを打ちやすいスポットを作ってくれたのも大きかったです」

また、7本中4本の3ポイントシュート成功を含む19得点に加えてゲームハイの11アシストでダブル・ダブルベンドラメ礼生は連敗脱出となった試合をこのように振り返った。「良い試合の入りができたと思います。昨日も入りは良かったですが、途中にもったいないオフェンスをしてしまい詰められてしまう時間がありました。ですが、今日は全員が最後まで気を抜かずに戦うことができたと思います。精神的にも体力的もすごく疲れる試合でしたが、乗り越えられたのはすごく大きいです」

ベンドラメが話すように、試合序盤にタフなディフェンスで相手のターンオーバーを誘発してトランジションに走る本来のチームオフェンスで8-0のランに成功し、試合の主導権を握った。また、第1戦では9-21と差をつけられてしまった第3クォーターは「前半の動きに対して相手も合わせてきたので、自分たちも受け身になることなく追いつかれそうになっても粘り切れたのが大きかった」とベンドラメが話すように、18-24と下回ったものの、このクォーターでは一度も逆転を許さない粘り強さを見せて前日の再現を阻んだ。

そして、オーバータイムでは、相手のターンオーバーからトランジションに走って得点するなどこの試合最大の9-0ランに成功して45分間の激闘を制した。最後の5分間についてベンドラメはこう話す。「常に声をかけ合って足を止めませんでした。体力的にキツい中でもルーズボールに対しての意識を高く持ち、全員が強い気持ちで戦えたのが良かったです」

勝利をきっかけにシーズン後半へ「常に崖っぷちだと思って戦わないといけない」

12月末に浜中謙アシスタントコーチがヘッドコーチに就任し、新体制となったSR渋谷は、直近の8試合を1勝7敗、そしてこの試合の前まで4連敗と大きく崩れてしまっていた。しかし、試合序盤やオーバータイムに見せたチームの真骨頂とも言えるディフェンスからのトランジションを繰り出して連敗に終止符を打った。浜中ヘッドコーチは言う。

「ファンの皆さんも『浜中で本当に大丈夫か』と思っていたと思います。その中で、今日の結果で安心したと言うか、『サンロッカーズらしいバスケ』ができたことが良かったです。レギュラーシーズンのただの1勝というよりか、いろいろな状況を踏まえた大きな1勝でした。またここから選手たちが満足することなくどんどん前に進んでいけるようにサポートしていきます」

そして、キャプテンのベンドラメはこのように先を見据えている。「ここからは常に崖っぷちだと思って戦わないといけないです。もちろん負けていい試合はないし、大変だと思います。でもやらないと勝てません。やった結果今日の試合を勝ち切れたので、これを毎試合やらなきゃいけないなと思っています」

連敗が続く暗闇の中にいたチームは、ロスターが欠ける中でも浜中ヘッドコーチが話すように『サンロッカーズらしいバスケ』を取り戻して反撃への光を見出した。現在は中地区5位。このままでは終われないSR渋谷は、この勝利をきっかけにシーズン後半戦での巻き返しを狙う。