『アシスト・パーセンテージ』とシュート成功率と並べるとチームの特徴が明らかに

この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。

今回ご紹介するスタッツは、アシストパスからシュートに成功した割合を表す『アシスト・パーセンテージ(AST%)』。

まずは、意外と知らないアシストについて再度おさらいしてみよう。アシストは、一般的にチームメートの得点に直接繋がるパスを指しており、以下のパターンがある。
・ペイントエリアで得点した選手へのパス
・ペイントエリア外であっても、ドリブルせずに得点した選手へのパス
・ドリブルを行ったとしても、ディフェンスと正対せずに得点した選手ヘのパス
また、FIBAが定義する得点にはフリースローも含まれるため、パスを受けた選手がシュート中にファウルされた場合、フリースローを1回以上成功させると、上記のパターンと同様にアシストが与えられる。

そして、本題の『アシスト・パーセンテージ』の求め方はこちら。

これはNBAやNCAAの計算式を参照しているため、私はFIBAルールに則った以下の公式を使っている。

※FTA×0.44 については、渡邊雄太がNBAトップに躍り出たことで話題のシュートの効率性を表す『TS%』って何だ!?の記事を参照頂きたい。

賢明な読者の皆様は、FGMにフリースローポゼッションを足している計算式に違和感を覚える方も多くいるだろう。これには理由がある。試合単位や選手単位では存在するかもしれないが、シーズン平均でフリースロー成功率が50%を切るチームが存在しない。つまり『2本のフリースローを得た場合、必ず1本は決める』と仮定できるため、フリースローポゼッションをそのままアシストの機会として計算している。

前置きが長くなってしまったが、リーグでボールが回っているチームのランキングとシュート成功率(eFG%)を見てみよう。(第18節終了時点)

順位   チーム AST% eFG%
1位 大阪 61.5% 50.00%
2位 秋田 61.1% 50.22%
3位 名古屋D 61.1% 56.68%
4位 川崎 60.2% 53.45%
5位 三遠 59.4% 51.45%
6位 仙台 57.9% 50.19%
7位 宇都宮 57.6% 47.63%
8位 横浜BC 56.8% 51.07%
9位 信州 56.8% 50.42%
10位 琉球 56.8% 51.85%
11位 群馬 56.6% 53.13%
12位 富山 56.4% 52.25%
13位 京都 56.1% 51.45%
14位 茨城 55.0% 50.67%
15位 広島 53.7% 55.14%
16位 A東京 53.3% 50.21%
17位 島根 53.1% 53.96%
18位 北海道 52.9% 50.59%
19位 三河 52.6% 50.73%
20位 SR渋谷 52.6% 53.51%
21位 滋賀 52.1% 47.23%
22位 FE名古屋 51.9% 51.19%
23位 新潟 51.0% 48.83%
24位 千葉J 50.8% 53.11%
平均 55.72% 51.46%

これを見ると非常に興味深い結果が出ている。『アシスト・パーセンテージ』が高いチームが高い成功率を記録すると思われたが、TOP10のうち7チームはアシストの割合が高いにもかかわらず成功率が平均値を下回っている。これは以下の理由が考えられる。
①ボールが回っているが最後のオープンシュート、もしくはペイント内のシュートが決まっていないケース
②ボールが回った時は決まっているケース
③セカンドチャンスの割合が高いケース
④フリースローのポゼッションが少ないケース
こればかりはゲームを追いかけてトラッキングするしか判断できないが、仮に①の場合であれば、シーズン後半に復調の兆しが見えるだろう。逆に、『アシスト・パーセンテージ』が低いにもかかわらず成功率が高い千葉J、SR渋谷、島根の3チームは①から④の要素を除くと個々のシュート成功率が高いなどの理由が考えられる。

異彩を放っているチームは、『アシスト・パーセンテージ』と成功率はともに高水準ではないが勝率は7割を超えているA東京。こちらも他の数値を分析すると理由が分かってくるので、ここまで記事を読んで頂いたスタッツ好きの皆様には是非とも分析してもらいたい。

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