トレイ・ヤング

ドンチッチもヤングを称賛「彼の活躍には驚かない」

マーベリックスとホークスの対戦では、ルカ・ドンチッチとトレイ・ヤングの対決がクローズアップされる。2人は2018年のNBAドラフトの同期で、ドンチッチが1巡目3位でホークスに、ヤングが5位でマブスに指名され、その日のうちにトレードされた。2人はNBAキャリアをスタートさせた時から互いへの意識を良い刺激に変え、再建中のチームをルーキーイヤーから引っ張り、今では名実ともに『チームの顔』となった。

今回は48分間を通してほとんど点差の離れない大接戦に。第3クォーター途中、ドンチッチの連続得点を皮切りに13-0のランでマブスが10点差を付けたが、ホークスもすぐに立て直して接戦が続いた。

第4クォーター残り2分半にドンチッチが鮮やかなフローターを沈め、マブスが120-121と1点差に詰め寄る。この時点でドンチッチは30得点、ヤングは12得点。スタッツではドンチッチが大きく上回っていたが、勝負どころでチームに勝利をもたらしたのはヤングだった。124-120で迎えた残り41秒にフローターを沈めてリードを6点に広げると、時間をコントロールしつつフリースロー4本をすべて危なげなく決めた。最終スコアは130-122、ホークスが連勝を4に伸ばし、マブスは3連敗となった。

ヤングは得点こそ18に留まったが12アシストを記録し、勝負どころの4本を含む8本のフリースローをすべて決めた。「ピック&ロールに対する相手のディフェンスをよく見てプレーを選択したまで。僕自身が積極的に攻める姿勢を見せ、それを利用してチームメートを巻き込む」とヤングは言う。

対するドンチッチは30得点8アシストを記録し、オフェンスはややターンオーバーが目立つぐらいで及第点以上のもの。問題はディフェンスで、第1クォーターに40失点を喫し、その後も安定しなかった。

マブスを率いるジェイソン・キッドは「シュート練習だよ」と不満気に話す。「ルカに限らずカリーム(ジャバー)やレブロン(ジェームズ)がいたって、これじゃ勝てない。ディフェンスに力を入れる重要性を理解しなければ、120点取っても130点取られる。失点が150になってもおかしくない」

ドンチッチも「明らかにディフェンスの問題だ。毎試合のように130点を取られていたら勝てない。勝負どころでフローターを決めたって意味はないよ。ディフェンスの戦術や技術ではなく、エネルギーの問題だ。オフェンスと同じだけの努力がディフェンスにも必要だ」

そしてドンチッチは、良きライバルであるトレイ・ヤングのパフォーマンスをこう称えた。「彼の活躍には驚かないよ。アシストもできるし得点もできる素晴らしい選手だからね。チームメートは良いポジションを取っていたし、彼も本当に良いプレーをした」

両チームのファンは、2018年のNBAドラフト当日のトレードの是非を今も気にしている。だが、正解が分かるのは何年も先のことになるだろう。ヤングもドンチッチも周囲の注目を刺激とし、いかにチームを勝たせるかに集中している。