ジェームズ・ハーデン

「彼は今まで僕のようなプレーメーカーと一緒にプレーしたことがなかった」

セブンティシクサーズは開幕3連敗スタートなど、シーズン序盤は9勝9敗と苦しんでいたが、そこから徐々に調子を上げ現在は27勝16敗(東カンファレンス4位)と浮上した。この復調を牽引している一人がジェームズ・ハーデンだ。

故障により11月はわずか1試合の出場に留まったハーデンが現地12月5日に復帰して以降、シクサーズは20試合(ハーデンは19試合に出場)で15勝5敗。この成績がハーデンの影響力を物語っている。

昨シーズン途中、ハーデンはネッツからトレードで加入したが、チームにうまくフィットすることができなかった。その結果、プレーオフでも精彩を欠き、カンファレンスセミファイナルでヒートに敗れた戦犯と批判する声も大きかった。だが、今シーズンはチームメートとの連携が明らかに向上している。非凡な得点力はもちろんのこと、現在6試合連続で2桁アシスト中など、味方のシュートチャンスを作り出すプレーメーカーとしての活躍が特に目立っている。

そして、チームの大黒柱であるジョエル・エンビードとのコンビプレーはまだまだ発展途上とハーデンは考えている。ジャズとの118-117の激闘を制した試合でエンビードは30得点を挙げたが、ハーデンはエンビードがもっと得点を取ることができたと振り返った。

「彼が僕のアタックについてくればイージーレイアップを決められる気はしていた。あと6点から8点を簡単に挙げられる機会はあったけど、彼は僕の側にいなかった。僕たちはどんどん良くなっていくし、ケミストリーも高まっていく」

「彼は支配的で多才な選手だ」とハーデンが語るようにエンビードは傑出した能力の持ち主で、個人で局面を打開できる。だが、そこに優れたガードとの連携プレーが加わると、相手にとってはより脅威となる。だからこそハーデンはこう語る。「彼は今まで僕のようなプレーメーカーと一緒にプレーしたことがなかった。また、ロールの動きをこんなにすることはなかったと思う。そして僕もこれまで、彼のようにポップの動きに優れたビッグマンはいなかった。だからプレー毎にコミュニケーションを取り続けて、良いシュートを打てるようにしていく」

昨日行われたレイカーズ戦でも、ハーデンが24得点13アシスト、エンビードが35得点11リバウンドを記録し、1点差の死闘を制した。ハーデンが望むように彼の変幻自在なドライブに合わせてエンビードが得点を量産するようになれば、シクサーズはプレーオフを勝ち進める真の強豪へと生まれ変わる。