「復帰する時には120%のコンディションで」
リッキー・ルビオは2021年12月末に左膝前十字靭帯断裂の大ケガを負った。31歳で、左膝の前十字靭帯断裂は2度目。ケガの直後はさすがのルビオも弱気になり、スペインに戻ってキャリア晩年を過ごすことも検討したようだ。しかし、キャバリアーズは彼への信頼を変えず、今シーズン開幕前にルビオに3年契約を提示して彼を繋ぎ留めた。
それはチームの精神的支柱、若い選手たちへの模範として、ルビオ以上の存在はいないと考えているからであり、32歳になり大ケガを経験した後でも期待したくなるようなパフォーマンスを彼が見せていたからでもある。ケガをする前のルビオはNBA11年目にして最高のパフォーマンスを見せ、13.1得点、6.6リバウンドを記録。レブロン・ジェームズが去った後に低迷が続いたキャブズが浮上するきっかけを作っていた。
今シーズンのルビオは、トレーニングキャンプ開始前の自主トレから何人かの選手を集めて一緒に過ごし、リハビリを続けながら開幕からチームに帯同している。ベンチから常に若い選手たちにアドバイスを送り、苦しい局面では鼓舞し、良いプレーがあれば一緒に喜ぶ姿を見せている。
今シーズン始動の際のメディア対応で、ルビオはやる気に満ちた表情でこう語っている。「トレーナーやメディカルスタッフとコミュニケーションを取りながら、一つのステップも飛ばすことなく万全の準備を整えたい。本当はシーズン開幕に間に合わせたかったけど、さすがに無理だった。一般的には10カ月から12カ月、でも復帰する日は決めずに行こうと思っている。ただ一つ言えるのは、復帰する時には120%のコンディションで、ということさ」
「僕のキャリアの中でも、このチームはかなり居心地が良い。どんな人がいて、この先にどうなるかも予想ができる。そして何より、僕の中で『やり残したことがある』と感じていた。昨シーズンは多くの成功を収めて、今シーズンはそれをさらに発展させるチャンスだ。それを逃したくはない」
そのルビオは様々なテストをクリアし、復帰の準備が整った。現地1月12日のトレイルブレイザーズ戦から、トレーニングウェアではなくユニフォームを着てベンチに入ることになりそうだ。その2日後にはミネソタでのティンバーウルブズ戦が予定されている。ルビオにとってはNBAでデビューし、アメリカで最も長い時期を過ごした場所での試合だけに、逃したくない気持ちは大きいはずだ。
昨シーズンはダリアス・ガーランドを始めとする若手のブレイクがあったが、ルビオが戦線離脱した後にチームは少しずつ勢いを失い、当確と思われたプレーオフ進出を逃した。それでも若手の大きな成長が見られた1年を経て、今シーズンはドノバン・ミッチェルが加入してさらに上を目指せるようになっている。ルビオもフレッシュな気持ちでこのチームの戦いに加わることができそうだ。