アルバルク東京

終盤のパフォーマンスで明暗

アルバルク東京がホームに川崎ブレイブサンダースを迎えた第2戦。試合の立ち上がり、ビッグラインナップの川崎はマイケル・ヤングジュニアを強調するが、吉井裕鷹が当たり負けせずにタフショットを打たせるなどシャットアウト。スムーズなボール回しから連続得点を挙げて、開始2分弱で7-0とリードする。川崎はオフェンスの起点を藤井祐眞に変えると、その藤井が個で打開し8連続得点を挙げて逆転。その後は全くの互角の展開となり、21-21で第1クォーターを終えた。

しかし、第2クォーターに入るとゾーンを攻略したA東京のペースに。インサイドにパスを入れつつ、素早いパス回しでディフェンスを振ると、寄りが遅れた隙を見逃さずにジャスティン・コブスと安藤周人が3ポイントシュートを射抜く。川崎のタイムアウト後にはインサイドを強調し、抜群のタイミングでペイントエリアにパスを通しイージーシュートを決めていった。そして、開始3分半過ぎ、ザック・バランスキーの3ポイントシュートが決まりリードを2桁に乗せた。

劣勢に立たされた川崎はマッチアップで分のあるマット・ジャニングを強調。そのジャニングが2本の3ポイントシュートを含む8得点を挙げて追いすがるが、周りの得点が伸びずに5点ビハインドで前半を終えた。

後半に入ると、スムーズなボールムーブからオフェンス優位な状況を作りつつ、ニック・ファジーカスのツーメンゲームを起点にオフェンスを展開した川崎が反撃。フィニッシャーとなったファジーカスが9連続得点を挙げ、さらにジャニングも高確率でシュートを射抜き、開始約6分で逆転に成功した。その後はリードチェンジを繰り返す拮抗した展開が続いた。それでも、オープンを作るものの3ポイントシュートを決め切れない川崎に対し、タフショットになるもリングに近いインサイドのシュートをねじ込んだA東京がジワジワとリードを広げ、7点差でオフィシャルタイムアウトを迎えた。

食らいついていきたい川崎だったが、佐藤賢次ヘッドコーチが「マットが戻って、今までビッグラインナップでやってきた中で、第4クォーター残り5分のところで誰をどうぶつけていくかという軸をもっと育てていかなければならない試合になりました。メインの選手をフレッシュな状態で立たせられなかったのも反省です」と、振り返ったようにここから失速する。大事な場面で強度が上がったA東京のディフェンスの前に、ボールムーブが停滞。ファジーカスにボールを預けたが、指揮官が自身を責めたように、30分以上のプレータイムがボディブローのように効いたことでシュート精度が落ちていった。

一方のA東京はデイニアス・アドマイティスヘッドコーチが「一番の勝因はエナジー。これまでの第2戦の中でベストゲームだった」と語ったように、最後までエナジーが落ちることなく、川崎を突き放していく。ライアン・ロシターがタフなフローターを沈めると、コブスがスピードとパワーを生かしてポストプレーを仕掛けるファジーカスからスティールに成功。すぐさま走り出したロシターが速攻を決めて、残り3分半でリードを2桁に乗せた。その後も試合巧者のA東京が主導権を握り続け、最終スコア88-73で勝利した。