セルティックスの選手たちは憮然「チームとしての結束がなかった」
セルティックスは開幕3連勝スタートに始まり11月には9連勝を記録するなど、開幕直前の指揮官交代があったものの、NBAファイナルに進出した昨シーズンからの継続路線で圧倒的な強さを見せ付けていた。だが、どんなチームも常に絶好調のままではいられない。勝率8割を誇ったチームは直近の12試合で5勝7敗と負け越している。チーム周辺にある『何となく嫌な雰囲気』は、現地1月3日のサンダー戦で誰の目にも明らかなものとなった。
相手は下位に沈むサンダーで、エースのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーが体調不良で欠場することに。セルティックスの勝利は間違いないと思われたが、他ならぬ選手たちがそう信じてしまったことで番狂わせは起きた。第2クォーターの後半、主力が休憩を挟んでコートに戻ったタイミングから、サンダーの攻守の強度についていけなくなり、あっという間に20点のビハインドを背負うことに。ハーフタイムを挟んで立て直さなければならない第3クォーターにはディフェンスが崩壊して48失点。早々に決着が付いてしまった。
結果は150-117、サンダーにとっては今シーズンここまでのベストゲームとなった。点は取ってくれるがボールを持ちたがる傾向の強いシェイの不在で、ジョシュ・ギディーを中心にパスがよく回るようになり、バランスの良いオフェンスを展開。スタメンの5人が全員2桁得点で、ベンチスタートの2選手を含めて5人が20点以上を記録した。
ギディーは言う。「今日のオフェンスは本当に良かった。それはボールがよく動き、常にたくさんのパスコースを見いだせていたからだ。全員がオフェンスに参加した結果だと思う。すべての試合でこんなにシュートが決まるわけじゃないにせよ、今日のようなプレーを続けたいね」
ベンチから32分の出場で3ポイントシュート5本成功を含む21得点を挙げたトレイ・マンは「相手は強敵だから、最大限のエネルギーを出して、集中しなきゃいけないと思って試合に臨んだ。スタメンの選手たちが良い流れを作ってくれて、次に出る僕らはそれに乗った」と振り返る。
150点を取った試合の後でもマンは「僕らにコントロールできるのはディフェンスだから」とその重要性を説く。「シュートをコントロールできる選手もいるんだろうけど、僕はディフェンスで激しさを出すことを第一に意識している。今日は全員そうやってプレーできて、楽しい試合になったよ」
一方で、セルティックスにとってはどこにも楽しさを見いだせない試合となった。ジェイレン・ブラウンは両チームを通じて最多の29得点を記録したが、彼もディフェンスの弱さを露呈した一人であり、得失点差はマイナス28と両チームで最悪の数字。彼は「チームとしての結束がなかった」と、自分も含めてチームの精神面に問題があったと認める。「それでどうなるのか、今日明らかになったよね。若い選手たちにボコボコにやられて、恥ずべき試合になってしまった」
サンダーのトレイ・マンはシックスマンとして先発陣が作った良い流れを引き継いだ。セルティックスで2番手のポイントガードを務めるマルコム・ブログドンは、先発陣の出来が悪ければ立て直すのが仕事だが、悪い流れに飲み込まれてしまった。彼はシェイの欠場を知った試合開始前の時点で「余裕だと思ってしまった」と認めている。
明暗は分かれたが、両チームにとっては今後の戦いに影響を及ぼすであろう一戦となった。サンダーはディフェンスでのハードワークはもちろん、パスがよく回って全員が参加するオフェンスを、エースのシェイが復帰した後も続けられるかどうかが、チーム全体のステップアップのカギを握りそうだ。そして思わぬ落とし穴にハマったセルティックスは、ここで得た教訓から精神面を立て直すことができるか。両チームともに、今後の数試合でどんな変化があるかに注目したい。