ザイオン・ウイリアムソン

12月は平均29.8得点と絶好調も、思わぬアクシデント

ペリカンズは2023年最初の試合でセブンティシクサーズに敗戦を喫した。単なる1敗より大きなダメージとなったのは、ザイオン・ウイリアムソンの戦線離脱だ。今シーズン開幕からコンスタントにプレーしてチームトップの26.0得点を挙げているザイオンは、第3クォーター終了間際、ディフェンスリバウンドを拾ってから勢い良くプッシュを始めたところで右足のハムストリングを痛め、ベンチへと下がった。

それまで28分のプレーでフィールドゴール12本中10本成功の26得点を挙げるザイオンの活躍で、ペリカンズは最大15点のビハインドから一時は追い付いていたが、これで失速。第4クォーターはジャクソン・ヘイズがザイオンのポジションに入り、CJ・マッカラムを中心に反撃を試みるも、ジョエル・エンビードとジェームズ・ハーデンのツーメンゲームを止められず、111-120で敗れた。

ヘッドコーチのウィリー・グリーンは試合後、「試合の大事な場面でザイオンを失う、厳しい負けとなった。大丈夫であってほしい」と語ったが、診断の結果はハムストリングの肉離れで、最低でも3週間の戦線離脱となった。

ザイオンは2019年のデビューから2シーズンはケガが相次ぎ、満足にプレーできない時期が続いたが、今シーズンは絶好調で、これまで37試合中29試合に出場。開幕直後に股関節を、11月には相手選手との接触で右足を痛めたが、いずれも軽傷ですぐにコートに戻って来た。12月下旬には健康安全プロトコルによる欠場があったが、その3試合を除けばフル回転。12月は12試合に出場して29.8得点、フィールドゴール成功率61.3%と素晴らしい数字を残し、『ケガに弱い選手』のレッテルを払拭していた。

チームはここまで23勝14敗で西カンファレンスの3位と順調な戦いを続けている。ザイオンが欠場した試合の勝率も悪くなく、何とか耐えしのぎたいところだが、ザイオンと並んでチームを引っ張るべきブランドン・イングラムは左足のつま先の打撲が長引き、11月末からプレーしておらず、練習は再開しているものの復帰のスケジュールはいまだ見えない。

1月は厳しい戦いとなるのは間違いない。ただ、この状況で残った選手がどれだけステップアップし、苦戦の中で勝ちを拾っていくか。ペリカンズがプレーオフ進出、さらにその上を目指すなら、ずっとザイオン頼みというわけにはいかない。開幕から2カ月半に渡り好調な戦いぶりを見せたことで、他の選手にも自信がついているはず。ザイオンとイングラムの復帰まで踏ん張ることができるか、チームの真価が問われる。