千葉J指揮官「良いリズムで自信を持ってシュートを打つことができていた」

12月31日、千葉ジェッツと三遠ネオフェニックスが対戦した。この試合は昨シーズンまで千葉Jを率いた大野篤史ヘッドコーチにとって初の凱旋となり、勝利をつかみ取りたいところだったが、5連続3ポイントシュートで好スタートを切った千葉Jが最後までリードを守り切り、100-70で年内最後の試合を締めくくった。

まずは千葉Jが主導権を握る。指揮官のジョン・パトリックが「出だしから良いリズムで自信を持ってシュートを打つことができていたと思います」と称賛したようにトランジションの場面やハーフコートオフェンスで良いボールムーブからオープンでシュートを打つ理想的な形を作り出すと、5本連続で3ポイントシュートを成功させて開始3分半で2桁のリードを得る。ディフェンスでは、スイッチを多用してズレを作らず三遠を自由にさせない。また、途中出場のジョン・ムーニーがディフェンスリバウンドを確保して相手にセカンドチャンスを許さず、26-12と大きくリードして最初のクォーターを終えた。

第2クォーター、14点差を追う三遠は、サーディ・ラベナがアイゼイア・ヒックスとのピック&ロールで得点を演出すると、オフボールで活発に動くオフェンスで千葉Jを揺さぶり、シュートチャンスを生み出す。ディフェンスでは、シュートコンテストに対して厳しくファウルがコールされフリースローなどで失点を重ねるが、3-2ゾーンでインサイドからの失点を防ぐことに成功。そして、このクォーターだけでトランジションスリーを含む9得点を記録した細川一輝を筆頭に、ピック&ロールと速攻からの得点で残り4分に10点差までビハインドを縮める。

追われる千葉Jは、10点差に縮められた直後に要求したタイムアウトが明けると、前節に40得点を挙げたクリストファー・スミスがこの日2本目となる3ポイントシュートを沈めて三遠の流れを断ち切る。残り2分には、ヴィック・ローがダンクで味方のこぼれ球を押し込むと、直後のディフェンスで自陣のゴール下まで戻ってブロックを見せるなど攻守で奮闘し、リードを15点に広げて試合を折り返した。

第3クォーターに入ると、千葉Jは変わらずにゾーンを継続する三遠に対し、3ポイントシュートを積極的に狙い始める。成功本数自体は少ないものの、アウトサイドを気にさせることでインサイドも攻めやすくなり、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを生かす。また、残り5分30秒に三遠の5つ目となるチームファウルを誘発し、オフェンスが展開しやすくなると、西村文男とムーニーとのピックプレーからさらに得点を重ね、このクォーターの残り3分半に23点差をつけて勝負を決めた。

三遠の大野ヘッドコーチは苦い凱旋試合となった今日の試合を次のように振り返る。「何も言うことがないくらい完敗です。彼らに得意なモノをすべて出させてしまったと思います」