ともにチームを牽引した同級生の柴田柑菜「ウチェがキャプテンで良かった」
12月28日、ウインターカップ女子決勝の京都精華学園vs札幌山の手が行われ、トータルリバウンドで57-15と大きく上回った京都精華が終始ゲームを優位に進め、99-81で初優勝を手にした。
この試合で35得点17リバウンド5アシスト2ブロックと攻守でチームの屋台骨となったイゾジェ・ウチェは、決勝で敗れた昨年のウインターカップを思い出しながら次のように振り返る。「昨年の決勝戦では6得点に終わってめっちゃ悔しかった。6得点はありえないし、私にとっては恥ずかしいことでした。今年はもっと点数が取れるように、ボックスを意識しました。後悔しないようにしっかり自分でやって、もっと点数を取ることができて良かったです」
昨年の悔しい思いを胸に挑んだ今年はキャプテンに就任し、チームメートに教えてもらった日本語を使ってコートの内外でチームを牽引してきた。ウチェをキャプテンに任命した山本綱義コーチはその背景をこのように振り返った。「まず留学生がキャプテンになるチームは例がないと思ったので、『じゃあウチがやろう』と決めました。最初は言葉が通じるかとか、周りの選手がどう思うか心配でしたけど、周りがウチェを支えていました。すると、今度はウチェが周りに指導してくれたり、厳しく対応してくれました。キャプテンの役割を果たしてくれたと思います」
また、下級生の時からともに活躍してきた同級生の柴田柑菜は、「ウチェがキャプテンになるって聞いて不安もありました。日本語がうまく伝わらない時もあったんですけど、ウチェが一生懸命日本語で伝えようとしてくれていることに対して、自分たちも一生懸命聞き取っていこうとしました。この1年間、ウチェがキャプテンで良かったと思います」と笑顔で語った。
「キャプテンになってから、コーチからすごく怒られました(笑)。けど、もっと頑張ってほしいということは分かったので、怒られてもここから強くなろうという気持ちでいれました」と、ウチェはコーチからの叱咤激励もチームが強くなるために受け止めて、自身の成長に繋げてきたと語った。
そして、ウチェは優勝会見で「キャプテンにならせてくれてありがとうございます」と、山本コーチに感謝を伝えると、次のように続けた。「キャプテンになってからいろんなことが見えてきました。もっとチームを引っ張っていくことが多くなったし、コートの中で声を出すことも多くなりました。そのおかげで優勝できたと思います。コーチ、ありがとうございます」
日本一となったウチェは今後の活躍を次のように誓った。「一番忘れないことは走ること。(自分より)背が高い選手はいっぱいいるけど、走る体力をもっとつけて走り切れるようにする。もっと走ったら誰にも止められないから、それを意識して頑張りたいです」