八村塁

「 これからも続けて、勝ち続けていきたい」

ウィザーズはホームでセブンティシクサーズと対戦。8連勝中のシクサーズは、ジョエル・エンビードが48得点10リバウンド、ジェームズ・ハーデンが26得点に13アシストと結果を出した。それにもかかわらずウィザーズが116-11で上回ったのは、セカンドユニットに大きな力の差があったからだ。ベンチから出た選手の得点はシクサーズはわずか16。これに対してウィザーズは43あった。

試合開始から10分が経過したところでエンビードが一度ベンチに下がった時は23-24。それが、第2クォーター残り8分で戻った時には36-46と10点のビハインドを背負っていた。ウィザーズはここで得たリードを生かし、優位に試合を進めていく。

ここで違いを生み出したのは、ケガから復帰して3試合目となる八村塁だった。第2クォーター開始早々にモントレズ・ハレルのマークをかわすフェイダウェイ・ジャンプシュートでこの試合最初のフィールドゴールを記録すると、自陣から自らプッシュして相手の守備が整う前にフィニッシュへと持っていき、さらにはポストアップでハーデンをゴール下まで押し込んでの得点と、エネルギッシュなプレーで試合の流れを呼び込んだ。

後半のウィザーズは、エンビードとハーデンの攻めに圧倒されながらも崩れない粘り強さを発揮。第4クォーター残り4分、3点リードの場面でエースのブラッドリー・ビールがハムストリングを痛めてベンチに下がったが、エース不在のラスト4分はディデンスを引き締め、シクサーズの得点をわずか6に抑えて逃げ切った。

エンビードは48得点を奪いながら、終盤は追い掛ける展開で焦りが出てシュートが決まらず。それでも「言い訳にはならないが、ウィザーズが良いチームだった。成績よりもずっと優れている」と、ウィザーズの出来を称えた。

ウィザーズではビールが19得点止まりで、クリスタプス・ポルジンギスが24得点10リバウンド、カイル・クーズマが14得点8リバウンドを記録。エンビードやハーデンのようなインパクトは誰にもなかったが、チームで上回った。

八村は21分の出場で14得点を記録。試合後の会見で「ベンチに座ってチームが負けているのを見ていた。試合全体を通じてエネルギーが足りないように感じていたから、自分が復帰したらもっとエネルギーを出していこうと自分に言い聞かせていた」と語る。

「オフェンスでもディフェンスでもエネルギーを出していきたい。この2試合ではそれができたと思うし、これからも続けて、勝ち続けていきたい」

ウィザーズでは八村だけでなく多くのケガ人が戦線復帰し、ビールのケガの状況は気になるところだが、それでも100%のコンディションに近付きつつある。14勝21敗と、ウィザーズはいまだ勝率5割が遠いのは事実だが、本来の戦力が整えばこれまでとは違う戦いぶりが見られるはずだ。