「みんなの見ている前で、僕は21歳から32歳になった」
12月26日のトレイルブレイザーズvsホーネッツの試合、最大14点差のビハインドをひっくり返す逆転勝利を収めた後も、ファンはアリーナを去ろうとしなかった。エースのデイミアン・リラードが1週間前に球団の通算得点記録を塗り替えてから初のホームゲームで、記念セレモニーが行われたからだ。
クライド・ドレクスラーが持つ1万8040得点を抜き去ったリラードは、このホーネッツ戦では3ポイントシュートに当たりが来ずに17得点に終わったが、それでも9アシストを記録。コートに立っていた時間の得失点差はチーム最高の+21とチームの勝利に貢献して、このセレモニーに臨んだ。
『ウチのパパはNo.1』とプリントされたTシャツを着た3人の子供とともにコートに戻って来たリラードは、試合の時とは違ってリラックスした表情で、この瞬間を楽しんでいた。スタンディングオベーションの中で子供の1人を抱きかかえ、残る2人がブレイザーズのロゴ上で遊ぶのに目をやりながら、リラードはスピーチを始めた。
「ここは僕にとっての家だ。このユニフォームを着て、ここに足を踏み入れるたびに皆に応援してもらえるのは本当に幸せだし、大きな意味がある。ここに来るまで長い時間がかかったので、自分の達成したことに満足している。この旅には良い時も悪い時もあったし、まだもう一つだけ達成しなきゃならないことがあるけど、それはみんなも分かっているよね?」
ここでポートランドのファンは一際大きな拍手を彼に送る。リラードは、家族へ、チームメートへ、ファンへの感謝を語った。
「このレベルに到達するのは本当に難しいんだけど、両親や祖父母、叔父に叔母、いとこ、兄と姉の指導がなければ、ここまで来ることはできなかったと思う。僕の妻、僕と一緒に育ったすべての人が僕を強い男にし、自信を持たせ、自分勝手じゃない人間にしてくれた」
「チームメートもたくさん祝福してくれた。今では僕よりずっと若い選手が多くて、高校時代からNBAでプレーする僕を見ていたんだろう。僕は良い兄貴分ってわけじゃないけど、今日のみんなからは称賛や尊敬の気持ちをいつも以上に感じられた」
「そして僕がちょっと何か言うたびに拍手してくれるファンのみんな、僕をずっと応援してくれた人たち。最初のプレシーズンゲームからここまで支えてくれた。みんなの見ている前で、僕は21歳から32歳になった」
鳴りやまない拍手をさえぎって、彼は言葉を続ける。「僕はずっと次のことを考え、前に進もうとしているけど、こういう時は一度立ち止まって、この旅の一部となっている人たちのことを考える。そんな人たちが、大きいわけでもなく、運動神経に恵まれたわけでもない僕をNBAのスターにしてくれたんだ」
「最後に一つ残っていること、それをやり遂げよう」