昨年破れた帝京長岡にリベンジ達成、17得点5アシスト5スティールと攻守で活躍

ウインターカップ5日目となる12月27日、準々決勝まで進んだ福岡第一が準々決勝で帝京長岡と対戦した。昨年の準決勝で帝京長岡に逆転負けを喫した福岡第一にとって雪辱に燃える一戦となった。

前半は、お家芸のプレッシャーディフェンスからのファストブレイクで先行した福岡第一が最大15点のリードを作り出すなど主導権を握る。第3クォーターに入ると、司令塔の轟琉維がファウルトラブルでベンチに下がり、オフェンスのテンポが悪くなったことで帝京長岡に一時2ポゼッション差まで迫られてしまう。しかし、第1クォーターのトランジションを牽引した崎濱秀斗が3ポイントシュートを沈め、さらには簡単にボールをコントロールさせない激しいディフェンスも披露。こうして崎濱の活躍で最大のピンチを脱した福岡第一は第4クォーターに戻ってきた轟が落ち着いてゲームをコントロールし、68-53で勝利して2年連続となる準決勝へ駒を進めた。

チームを率いる井手口孝コーチは次のように試合を振り返る。「コネ(ボウゴウジィ・ディット・ハメード)君を意識していたのと、アウトサイドの選手が攻守で力を持っているので守りがナーバスになった分ちょっと重い立ち上がりになったかなと。第3クォーターは轟のファウルがあったけれどよくしのいだなと思います。崎濱が昨日からいい感じですね」

井出口コーチが話すように、崎濱は前日の美濃加茂戦で3ポイントシュート2本成功を含む16得点2スティール2ブロックと攻守で存在感を発揮。そして、今日の試合では17得点5アシスト5スティールと試合を重ねるごとにパフォーマンスを上げている。

「チームに良い影響をもたらそうという気持ちで毎回試合に臨んでいます。今日は入りが硬かったので、琉維さんから『思いっ切りいつも通りやれ』と言ってくれて、その言葉で自信を持ってシュートを打つことができました」

轟不在の中リードを広げる大仕事「そこで自分の仕事ができるかできないか」

前述の通り、福岡第一が帝京長岡に敗れた昨年の準決勝は、前半までリードを得る展開だったが、第3クォーターに8-20とオフェンスが停滞し、逆転負けとなった。今日の試合でも第3クォーター残り2分強に轟が個人3つ目となるファウルをコールされると、直後のディフェンスで失点したことで5点差まで迫られ、昨年の悪夢の第3クォーターが頭をよぎる展開となった。しかし、崎濱がムスタファ・ンバアイとのピック&ロールからタフショットを沈めて相手の流れを断ち切ると、続けて3ポイントシュートを沈めてリードを再び10点差まで戻す大仕事をやってのけた。

「今やるのは自分しかいないという思いでプレーして、どのシュートも決めることができました。帝京さんから強いディフェンスが琉維さんにくるって分かっていたので、そこで自分の仕事ができるかできないかだと考えていたので、今日はうまくいって良かったです」

また、ゲームハイの5スティールを記録した守備については次のように話す。「この1年間はディフェンスにフォーカスしてきていて、自信がありました。どのガードに対しても自分のディフェンスは効くと自分に言い聞かせて毎回試合に臨んでいるので、そこが生きて良かったです」

昨年屈した帝京長岡にリベンジを果たし、次戦は昨年苦汁をなめた準決勝を迎える。「去年と違って自信を持ってプレーできています。準決勝が山場となるので、まずはしっかり勝って決勝に良い形で入りたいです」