山本コーチ「良いディフェンスをすれば良いオフェンスが生まれると確信しています」

ウインターカップ女子準決勝、京都精華学園が東海大学付属福岡と対戦。第1クォーターに17-0のランを成功させると、ディフェンスリバウンドからファストブレイクを連発する堅守速攻を40分間徹底して70-47で勝利し、2年連続となる決勝進出を果たした。

チームを快勝へ導いた山本綱義コーチはこのように試合を振り返る。「東海大福岡の対策を急遽考える形になったので選手たちに任せっきりの状態になってしまったけど、良く対応してくれました。ディフェンスではハンズアップをやかましく言って、リバウンドのフォローとルーズボールを取りなさいよと伝えました。一番大事なことは失点を防ぐことで、それが相手に一番プレッシャーがかかります。良いディフェンスをすれば良いオフェンスが生まれると確信しています」

山本コーチが話すように、第1クォーターから東海大福岡の大黒柱、ファール・アミナタをディナイで自由にさせず、2本のブロックショットを記録したイゾジェ・ウチェを中心とするタフなディフェンスを見せた。そしてウチェがトランジションに走って得点する堅守速攻を連発したことで最後まで主導権を渡さなかった。13得点をマークしたウチェは「絶対に負けたくない。悔しい思いをしたくないから最後まで頑張り続けることができました」と、強い思いを話した。

トランジションで大きくリードした京都精華だったが、ハーフコートオフェンスでも上回った。ウチェを中心としたインサイドはもちろん、「留学生同士でマッチアップしているので、自分が得点しに行くという気持ちがあった」と話す八木悠香が1on1からのミドルシュートやアミナタをかわす技ありのレイアップなどゲームハイの17得点を記録してオフェンスを牽引した。

得点面で存在感を発揮した八木だったが、試合後の言葉はディフェンス面のことだった。「昨日のミーティングで出だしのディフェンスが大事だと言われていました。そこをみんな徹底しようという意識があって、コートでできました。ディフェンスから入って行けと言われていた中、第1クォーターの失点を抑えることができたのは良かったです」

チームの稼ぎ頭となった八木ですらディフェンスを第一に考えている京都精華は、4試合を終えて平均47.5失点と大会屈指の堅守を誇っている。山本コーチが話すようにディフェンスから主導権を握ってきたチームは、昨年悔し涙を飲んだ決勝に戻ってきた。昨年は4点差で夢破れた八木は明日に向けて次のように決意を表した。「この舞台にまた戻って来られたのはうれしいし、いろんな方々に感謝しています。昨年は悔しい思いをしている分最後は笑顔で優勝したいです」