スタートダッシュに成功するもピリッとしない前半
横浜ビー・コルセアーズvs琉球ゴールデンキングスのゲーム2。ゲーム1と同様に、リーグトップクラスの堅守を誇る琉球がディフェンスゲームに持ち込み、75-58で勝利を収めた。
琉球は昨日の第1戦を、横浜の今シーズン最少得点となる53点に抑える大勝を収めた。「昨日、大差がついた試合で、2試合目のセットの仕方は難しいですけど、スタートがその責任を果たしてくれた」と琉球の佐々宜央ヘッドコーチが試合後に語ったように、琉球は序盤からフィジカルなディフェンスが機能し主導権を握った。ターンオーバーを誘い失点を防ぐと、並里成がディフェンスを引きつけ次々とイージーシュートを演出していき、開始4分で12-2と点差を2桁に乗せた。
だが琉球はその激しいディフェンスが裏目となり、残り4分を残した時点でチームファウルが5に到達して失速。フリースローを与え、川村卓也にタフショットをねじ込まれるなど、リードを広げられず21-12で第1クォーターを終えた。
第2クォーターも、コンスタントに得点し琉球のペースで試合は進んでいくが、横浜のチェンジングディフェンスの前に3ポイントシュート試投数が減り、大きなランが生まれない。細谷将司に3ポイントシュートと3ポイントプレーを連続で決められるなど、互角のまま後半へ突入した。
後半立ち上がり、ジャボン・マックレアのインサイドプレーで失点し、竹田謙の速攻を浴びて5点差まで詰め寄られた。だが並里のミドルシュートで悪い流れを断ち切ると、琉球はここ一番の集中力を見せる。
17-0のビッグランで横浜を撃破
フィジカルなディフェンスでボールの出しどころを抑え、オフェンスをデザインさせず、外国籍選手の1on1に対しては、素早くダブルチームに行き、タフショットを打たせ続けた。
すると並里がボールをプッシュし、ファストブレイクを連発。速攻を防ごうとし川村卓也からアンスポーツマンライクファウルを誘発するなど流れは完全に琉球へ。約3分間で17-0のビッグランを作り、ジョシュ・スコットの速攻が決まって点差は20の大台を超えた。
その後、細谷と田渡凌のガードコンビのトランジションオフェンスや、マックレアの強引なインサイドプレーに手を焼き、最終クォーター残り7分20秒で11点差まで迫られた場面もあった。だが琉球はここでタイムアウトを要請し、直後デザインされたオフェンスから岸本隆一が3ポイントシュートを沈め、ターンオーバーを得点につなげるなど要所を締めた。そして常に2桁のリードを保ち続けた琉球が危なげない試合運びで横浜を退けた。
勝利した佐々コーチは「横浜さんはリバウンド力があり、アグレッシブにやってきた。リバウンド数で負けて、ターンオーバーが多かったことがタフな試合になった要因」と反省点を挙げた。
また度々反撃を受けて勝敗を決めることができず、「まだ自分たちがチャンピオンになるぞというファイティングメンタリティがない試合だなというのが正直出てしまった」とコメントした。
それでも「ディフェンスでポイントをつかんで相手に流れを作らせないというところでは集中しきってくれた。ちょっとした下り坂になってもタイトな試合ができた」と、大事にしているディフェンスが崩れなかったことに手応えを得ていた。
一方、敗れた横浜のトーマス・ウィスマンヘッドコーチは「昨日よりも試合の内容は良かったが、今の段階では琉球さんのほうが格上のチームということ。彼らのディフェンスは今まで当たってきたチームの中で一番だと思いますし、チームディフェンスというものがしっかりできている」と対戦相手を称賛した。
これで琉球は14勝5敗とし、西地区首位をガッチリとキープ。次節は現在リーグ首位の栃木ブレックスとの大一番が待ち受けており、佐々コーチも「一つでも良い状態に持っていきたい」と意気込んだ。