守備で耐えた栃木ブレックス、最後は『ナベタイム』発動で川崎との接戦に競り勝つ

2018/11/24
Bリーグ&国内
5119

栃木ブレックス

文=鈴木栄一 写真=野口岳彦

渡邉裕規が土壇場でチームを勝利に導く

11月23日、栃木ブレックスが川崎ブレイブサンダースと対戦。序盤にリードを奪うも主力のファウルトラブルもあって追い上げられる中、ここ一番で渡邉裕規がビッグショットを連発で沈める『ナベタイム』を発動させ86-79で激闘を制した。

第1クォーター、まず主導権を握ったのは栃木だった。川崎にタフショットを打たせると、ディフェンスリバウンドから走る得意の展開に持ち込んで得点を重ねる。残り約5分には、昨シーズンまで8年間所属していた古巣との初対決となった栗原貴宏が交代でコートに入った直後に3ポイントシュートを決め、さらにライアン・ロシターがリバウンド奪取からボールを運びそのまま得点するなど、堅守速攻を実行した栃木が13点のリードを奪う。

第2クォーターも栃木の優勢は続くが、中盤になって川崎はニック・ファジーカス、シェーン・エドワーズ、バーノン・マクリンと実質『オン3』ラインアップを投入。するとマクリン、エドワーズのアシストからファジーカスが連続得点と理想的な流れで追い上げを開始。一時は3点差にまで縮める。

だが、栃木はサイズの不利があってもゴール下の肉弾戦で負けない。ジェフ・ギブスがオファンスリバウンドからのセカンドチャンスでねじ込むなどインサイドで存在感を示す。そして前半終了直前には、渡邉が3ポイントシュートを決め栃木の11点リードで試合を折り返す。

栃木ブレックス

川崎のビッグラインナップを相手にしぶとく粘る

第3クォーター、栃木はゴール下へのドライブからのキックアウトと理想的な形で外角シュートを打つことで、引き続き高確率でシュートを沈めていく。残り5分半には渡邉の再びの3ポイントシュートで14点リードに。しかし、川崎はここから再び『オン3』で反撃。3番ポジションで明確なミスマッチとなるエドワーズを起点とした攻めで追い上げ、栃木の5点リードにまで迫る。

そして第4クォーター、外国籍で栃木が『オン1』、川崎が『オン2』で迎える中、川崎は高さの優位を生かしたインサイドアタックで守備をズラしてからのパスアウトでノーマークの長谷川技が2本連続で3ポイントシュート成功。これで一気に70-67と逆転する。だが、栃木もすぐにロシターが3ポイントシュートを入れ返し、ここから一進一退の攻防が続く。

残り約5分半、栃木は3点リードと僅差の中、ギブスが痛恨のファウル4つとなったことでベンチに下がり『オン1』に。一方、川崎は『オン3』のビッグラインアップを起用とミスマッチが生まれるが、栃木は竹内公輔がマクリン、栗原がエドワーズを粘り強く守って耐える。中でもマクリンの1対1からの仕掛けで、見事なシュートブロックを見せた竹内は、「(マクリンは)フリースローが上手ではないデータがあったので、ファウルしてもいいくらいの意識でいたのが良い方向に行ってくれました。まだ、時間もありましたし、リードしていたので慌ててはなかったです」と振り返っている。

この我慢によって生まれたチャンスで、栃木は残り約2分から渡邊が値千金の連続3ポイントシュート成功。これでリードを9点にまで広げると。あとは川崎の反撃をかわして逃げ切った。

川崎ブレイブサンダース

競り負けた川崎「突き放すチャンスを潰した」

強豪対決の第1ラウンドを制した栃木の安齋竜三ヘッドコーチは、「出だしは良かった中、自分たちのミスやリバウンドを取られて、途中で相手に流れを持って行かれました。しかし、最後のところで途中から出た(竹内)公輔とクリ(栗原)が、ディフェンスで素晴らしい働きをして繋いでくれました」と要所でのベテラン2人の守備を称えた。

そしてオン1対オン3になった時でも、トラップなどを積極的に仕掛けるのではなく、いつも通りの守備を継続した理由を「ある程度、ミスマッチのところでやられてもしょうがないと半分は思いながらも、自分たちのディフェンスをすればどうにかできる。他の選手にやられるよりは、という部分もあるので戦略的には何も変えなかったです」と語っている。

一方、川崎の北卓也ヘッドコーチは「ファストブレイクとセカンドチャンスから計27失点。栃木さんとの試合では低く抑えないといけないこの部分でやられてしまいました」と、相手の持ち味を抑えられなかったことを敗因に挙げる。

また、試合最後の残り5分で5得点とここ一番で得点が止まってしまった要因を「負けているのでムキにいっていた部分がありました。キャッチ&シュートで打てば良かったのに、慌ててドライブしてターンオーバーなど、もったいないプレーがありました」と分析。この点については、第4クォーターに3ポイントシュート成功で見せ場を作った長谷川技も「大事なところでミスだったり、タフショットを打ったりして、逆転して突き放すチャンスを潰してしまった。自滅だったと思います」と悔やんでいた。

チームリーダーの田臥勇太の欠場が続く中、要所で栃木らしい激しい守備を実行して価値ある勝利を挙げた栃木に対し、川崎としてはホームでの連敗は何としても阻止しないといけない。そのためには、「栃木さんはシュートで終わって、最後に勝負どころでタフショットを決めましたが、ウチはフリースロー(18本中10本成功のみ)、ゴール下のシュートを落とした結果が、勝敗を分けるポイントとなりました」と北ヘッドコーチが挙げた「勝負どころでシュートで終われたかどうかの差」を改善できるかにかかっている。