延長でキャバリアーズに敗れるも、ドンチッチ不在の試合で大健闘
ケンバ・ウォーカーはマーベリックスの一員として初めて試合に出場した時、NBAキャリア12年目のベテランにもかかわらず「少しだけ緊張した」と認めている。12月10日のブルズ戦での出来事だ。ホーネッツでは『チームの顔』だったケンバは、セルティックス時代に膝を痛めたのを機にキャリアが下降線をたどり始めた。昨シーズンはニックスと契約を結んだものの、37試合に出場した後はローテーションから外され、ピストンズにトレードされた後に解雇された。
ただ、それも最初のシュートが決まるまでだった。ユニフォームは変わり、チーム内における立場も変わり、契約もベテラン最低保証額となったが、彼の仕事は変わらない。正面からのプルアップジャンパーを、これまで何百本と決めてきたのと変わらぬフォームで決めた瞬間に、その緊張は解けたと彼は言う。「素晴らしい瞬間だった。僕はこのレベルまで自分を戻すために、一生懸命にやってきたんだ」
そして12月16日、彼にとってマブスでの3試合目はスターター起用となった。ルカ・ドンチッチが右太ももの筋肉を傷めて欠場、さらにスペンサー・ディンウィディ―とドワイト・パウエル、ジョシュ・グリーンも欠場と、マブスにとっては全く期待できない試合だったが、好調のキャバリアーズを相手に延長に持ち込む大接戦を演じた。99-100と惜しくも敗れたものの、この健闘を演出したのはケンバだった。
42分間の出場でフィールドゴール25本中12本成功、ゲームハイの32得点。さらには7アシストも記録。第4クォーター残り3秒、2点ビハインドの場面でチームはケンバのアイソレーションを選択。彼は期待に応え、ジャレット・アレンをスピードでかわしてのドライブレイアップを決め、マブスは土壇場で同点に追い付いている。
加入が決まった時点でケンバは「時間をかけてコンディションを調整してきて、準備はできている」と語ったが、その言葉は嘘ではなかった。所属チームがない間も膝のケアを含め、万全の調整をしてきたことはコート上でのパフォーマンスが示している。
「僕らはチームとしてプレーできた」とケンバは言う。「エネルギーはたくさんあった。努力する姿勢には素晴らしいものがあったと思う。ほんの少し足りなかっただけだ」
ドンチッチの欠場は休養も兼ねてのもので、ケガは長引くようなものではない。ケンバがこれだけのパフォーマンスを見せるとなると、ドンチッチとどう組み合わせてプレーさせるかが非常に楽しみになってくる。ジェイレン・ブランソンの抜けた穴は大きかったが、ケンバがそれを埋める重要なピースになりそうだ。