二上燿

ジョン・パトリックヘッドコーチも二上を絶賛「私から見て大活躍だった」

12月17日、千葉ジェッツは茨城ロボッツと対戦。試合序盤に富樫勇樹の3ポイントシュートで主導権を握ると、一時点差を縮められる時間もあったが持ち味の堅守からファストブレイクを連発し逆転を許さず、83-70で今シーズン16勝目を挙げた。

追い上げられる展開の中で再び流れを引き寄せる要因となった速攻について、指揮官のジョン・パトリックは次のように評価している。「試合が次々とあるスケジュールで、こんなに疲れた状態で(速攻を)やるのは非常に難しいことです。ですが、(二上)耀や原(修太)、(佐藤)卓磨が相手の外国籍選手やガード陣にプレッシャーをかけてブレイクが出せていました。特に燿は、ガードの選手がいない中でオフェンスだけでなくディフェンスやリバウンドも頑張ってくれました。今日は私から見て大活躍だったと思います」

パトリックヘッドコーチが絶賛した二上は、ディフェンスでは茨城のトーマス・ケネディなどビッグマンに対して厳しいシュートチェックやドライブを許さない好守を披露。第3クォーター残り2分に1桁点差まで迫られた場面では、自身のディフェンスリバウンドからコースト・トゥ・コーストでバスケット・カウントを決めるビッグプレーも飛び出した。また、クォーター終盤にも同様のシチュエーションから速攻で得点し、第3クォーターは3分と短いプレータイムの中で5得点2リバウンドをマークした。

こうした二上のプレーもあって、ここまでファストブレイクポイントが4得点に留まっていた千葉Jは第3クォーターだけで8得点を記録。ベンチメンバーでフレッシュな二上がコートに立つことで堅い守備からのトランジションオフェンスという今シーズンの千葉Jがコンセプトに掲げる堅守速攻を体現した。

二上は自身のプレーについて次のように振り返る。「ディフェンスをハードにやっていくことはパトリックさんの意見なので、そういう部分はプレーしながら経験してしっかりやっていきたいと思います。オフェンスは自分の得意なファストブレイクをディフェンスから出すことができたのは良かったです」

二上燿

ポイントガードの離脱が続くチームでボールコントロールに徹した二上

現在の千葉Jは、セカンドメンバーとしてポイントガードを務めていた西村文男と大倉颯太の2人が戦線離脱しており、ボールコントロールを本職とするのが先発の富樫のみとなっている。この緊急事態の中、二上もポイントガードとしてボールコントロールし、今日の試合もキャリア最長となる22分58秒の出場でその役割に徹した。

「オフェンスではガードが富樫さんだけなので、自分も少しずつコントロールをやっていかないといけないです。今日の試合でもその場面はありましたが、うまくできなかった時間があったので、そういった部分を長いシーズンを戦っていく中で成長させていきたいと思います」

また、二上はセカンドメンバーとして出場することに対する意識をこう語る。「僕はセカンドメンバーとして試合に出ているので、流れを変えるのが自分の役目だと思っています。もし、先発の調子が良くなかったら自分が立ち直らせることを求められています。ヘッドコーチからも、『自分のやれることは精一杯やってほしい。ディフェンスもオフェンスも思い切りやって』と言われているので、こういったアグレッシブな部分を出していくのが自分の仕事です」

開幕序盤に右足関節外側靭帯損傷により戦線離脱し、復帰して約1カ月が経つが二上は、「今のコンディションは(ケガ前の)80%ぐらいは戻っていますが、まだ100%ではありません。これから少しずつ上げていきたいと思います」と、流れを引き寄せるプレーを見せながらもまだまだ本調子ではないと話した。二上のコンディションが100%まで戻ってきた時、今回の試合を超えるようなビッグプレーの連発に期待したい。