ジェイレン・ブランソン

「自分の持っているものを提供する責任があるんだ」

ジュリアス・ランドルが31得点13リバウンド7アシスト、ジェイレン・ブランソンが30得点8アシスト、RJ・バレットが22得点6リバウンド。ニックスが活躍すべき選手の活躍でブルズとのオーバータイムにもつれた試合を制し、連勝を5へと伸ばした。

この試合は気力と体力の我慢比べのようなもので、第3クォーター終盤までほとんどの時間帯でビハインドを背負ったブルズは終盤によく追い上げたのだが、オーバータイムではエネルギーを使い果たしていた。ニックスは主力にプレータイムが偏る9人ローテーションという不利を抱えながらも、最後まで攻守のインテンシティでブルズを上回った。

主力選手を重用し、長くプレーさせるニックス指揮官のトム・シボドーは、自分が信頼する選手たちがこの我慢比べに勝ったことに大喜びで「今日は見ていて楽しかった、もうちょっと早く見たかったがね」と言う。

この試合で46分間プレーしたランドルは、「勝負どころのディフェンスとリバウンドで、自分たちに求められる力が出せたと思う。もちろん、シュートもね」と話す。彼は第4クォーター残り0.7秒で決めれば勝ち越しのシュートを決められなかったが、その後のタイムアウトでブルズがデザインした、パトリック・ウィリアムズを狙うアリウープを読んでブロックに成功している。

エースのブランソンは足首を痛めており、試合に出られない可能性があったが、実際には39分プレーして攻守にフル稼働し、11-3と圧倒したオーバータイムに7得点を挙げている。

「万全じゃないけど、今日は欠場したくなかった。僕はこのチームのリーダーとして、可能な限りはコートに出てプレーする。自分の持っているものを提供する責任があるんだ」とブランソンは言う。

手に汗握る接戦に大いに盛り上がったユナイテッド・センターだが、オーバータイムにブルズが失速し、最後は点差が離れたのを見て、ファンは早々に会場を後にし、試合終了の瞬間にはスタンドは空席が目立った。彼らにとって残念なのはブルズが敗れただけでなく、退団から何年たっても強い絆で結ばれているデリック・ローズがプレーしなかったことだ。

34歳のローズはケガをしているわけではないが、シボドーの判断でローテーションから外れて12月に入ってからはほとんどプレーしていない。地元メディアが彼にコメントを求めたが、「文句は言えないよ。チームが勝っているからね」と語るに留めた。シボドーはプレーしなくてもローズがチーム内で良いリーダーシップを発揮していることを評価しているが、かつてのエースの元気なプレーを見たかったブルズファンにとっては残念な結果となった。