前節に得た手応えと課題を生かしてライバルから白星を奪いたい
琉球ゴールデンキングス(15勝3敗/西1位)vs京都ハンナリーズ(7勝11敗/西7位)
西地区首位の琉球は京都をホームに迎える。前節の茨城ロボッツ戦は、持ち味のオフェンス力を発揮し2試合とも90点オーバーで連勝を収めた。第1戦こそ延長にもつれる激戦となったが、第2戦は強度の高いディフェンスで茨城にタフショットを打たせリバウンドを獲得する堅実な戦い方ができ3ポイントシュートを30本中16本成功と高確率で決めて30点差をつける快勝となった。勝利を引き寄せたリバウンドは、ジョシュ・ダンカンがトータル14本を奪ってインサイドを支え、ジャック・クーリーもオフェンスリバウンドを4本獲得し、セカンドチャンスに生かした。西地区首位の座に就くチームとして、内外ともに抜け目のない戦い方ができている。対する前節の京都は、アルバルク東京と対戦し連敗となった。第2戦ではゾーンディフェンスが功を奏し、リードを保って第4クォーターに突入したが、3ポイントシュートが1試合を通して1本も入らなかったことと、チームハイの19得点をマークしたシェック・ディアロが1点リードの場面でファウルアウトとなり、突き放すことができず逆転負けとなった。アウトサイドシュートの精度に課題を感じるも、前日に80失点を許した相手に対して62失点に抑え込むことができたディフェンス力はこれからの好材料となった。インサイドが強力な琉球に対して、ゾーンディフェンスで対応する場合は、アウトサイドシュートのケアをどれだけできるかが鍵となりそうだ。
茨城ロボッツ(5勝13敗/東8位)vsアルバルク東京(14勝4敗/東2位)
茨城は同地区上位のA東京とホームで対戦する。前節は琉球を相手に第1戦は延長にもつれる激戦を繰り広げるなど、現在の順位以上の力を発揮した。試合序盤から3ポイントシュートを軸にリードを奪うも、第4クォーターから徐々にシュートの精度を欠き、残り7秒に追いつかれてしまう。延長では足が止まってしまい、わずか1得点に留まり逆転負けとなった。敗れはしたが、チェハーレス・タプスコットがフル出場で17得点7リバウンド7アシストと奮闘し、6人が2桁得点を記録するなどディフェンスに的を絞らせない戦い方ができている。第1戦で強豪を相手に手応えを感じつつも、第2戦では前日の疲労もあって30点差の大敗を喫しているため、しっかりリフレッシュしてA東京に臨みたいところ。A東京は前節の京都戦を連勝で終えた。第1戦は第3クォーターに30得点とオフェンスのギアが上がり、86得点を奪って快勝を収めた。しかし第2戦では試合終盤まで京都に主導権を握られ苦しい展開に。アウトサイドシュートも25本中4本と不調が続く中、安藤周人が残り2分弱に鋭いドライブからダンクを決めるバスケット・カウントに成功し逆転勝利した。アウトサイドシュートが不調の中でも安藤や小酒部泰暉が個人技で突破口を開いた試合となったが、A東京はピックゲームが主体のチームなので、東地区上位定着のためにも安定した得点力を見せて勝利したい。
新潟アルビレックスBB(2勝16敗/中8位)vsサンロッカーズ渋谷(10勝8敗/中3位)
新潟がホームにSR渋谷を迎える。前節の新潟は広島と対戦し、両日ともテンポ良くシュート決めることができず70点以下に終わり連敗を喫した。第1戦はターンオーバーからの失点が28得点とオフェンスのミスが敗因となってしまっているため、ガード陣を中心に堅実なボールコントロールを徹底したい。インサイドではコフィ・コーバーンとケヴェ・アルマが両日2桁得点と気を吐いたが、バックコート陣の得点が伸び悩んだため、インサイドを中心に得点するためにも杉本天昇や木村圭吾らシューター陣がコンスタントに得点し、ディフェンスを分散させるオフェンスを組み立てたい。対するSR渋谷は前節のファイティングイーグルス名古屋戦を連敗し、中地区首位から3位に後退している。2試合ともアウトサイドシュートに当たりが来ず、第1戦は9.5%、第2戦は10.0%とシーズン平均を大きく下回る3ポイントシュート成功率となってしまった。また得意のトランジションオフェンスも機能せず、第2戦は24点差をつけられて完敗。良い形でシュートに持ち込むことができなかったため、オフェンスの過程を意識しつつボールムーブを行えばおのずと確率は戻ってくるはずだ。まずは、持ち味のトランジションオフェンスから一気に走り出して主導権を握り、長距離砲でリードを奪い勝利をつかみたい。
富山グラウジーズ(7勝14敗/中7位)vs川崎ブレイブサンダース(11勝7敗/中1位)
富山は同地区首位の川崎をホームに迎える。ここ4試合は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、宇都宮ブレックスと東と西の強豪と連戦となり全敗となったが、大きく引き離されることはなく最後まで粘っての惜敗と光は見えている。特に前節の宇都宮戦は、大黒柱のジョシュア・スミスが不在の中、帰化選手のファイ・サンバとブライス・ジョンソンの2人が宇都宮の強力なインサイド陣に劣ることなくゴール下で仕事を全うした。インサイド陣が奮闘しているだけにアウトサイドシュートが入るとなお攻めやすくなるため、今節は中外のバランスの良さを出していきたい。また、司令塔のコーディ・デンプスが川崎のガード陣に対してどこまで攻め込むことができるかにも注目したい。アウェー3連戦目となった川崎は、前節に秋田ノーザンハピネッツとのシーソーゲームを制して勢いに乗っている。2試合ともに立ち上がりが悪く追いかける展開が続いたが、第1戦は藤井祐眞が連続得点で反撃し、第2戦はニック・ファジーカスを筆頭に高確率でシュートを沈めて連勝を収めた。この試合では、ファジーカス、マイケル・ヤングジュニア、ジョーダン・ヒースの3人を起用したチェンジングディフェンスを多用して秋田のオフェンスを停滞させることに成功したため、富山を相手にアウトサイドもインサイドもケアできる強度の高いディフェンスを再び繰り出せるか注目だ。
広島ドラゴンフライズ(14勝4敗/西3位)vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(14勝4敗/西2位)
西地区首位の琉球を1勝差で追いかける広島と名古屋Dが今シーズン初の顔合わせに。広島は、前節の新潟戦を2試合とも30点以上の差をつけて連勝した。ケリー・ブラックシアー・ジュニアとニック・メイヨの強力なインサイドに加え、ドゥエイン・エバンスと辻直人のウイング陣がコンスタントに得点を重ねることでディフェンスの的を絞らせない戦い方ができている。また、先発ガードの寺嶋良がボールをコントロールしながらも2桁得点をマークできる点も大きな強みとなっている。ベンチメンバーもそれぞれの役割に徹しながら得点を取っているため、層の厚さをあらためて感じる前節となった。対する名古屋Dの前節は、群馬にアウェーで連勝。ともにオフェンスが特徴のチームのため序盤から得点の取り合いとなったが、第1戦は14点差で勝利し、第2戦はペイントエリア内から52失点を喫し一時逆転を許すも、第4クォーターに齋藤拓実がミドルシュートや3ポイントシュートなどで11得点を叩き出して連勝をつかみとった。齋藤の活躍もあり、平均得点と3ポイントシュート成功率は再びリーグトップに。広島はインサイド中心、名古屋Dはアウトサイドを中心としたオフェンス合戦が予想されるため、やられてもいいプレーとやられてはいけないプレーを明確にして失点を抑える戦い方が望ましい。
滋賀レイクス(4勝14敗/西8位)vsファイティングイーグルス名古屋(10勝8敗/西5位)
滋賀はホームでFE名古屋と対戦する。滋賀ダイハツアリーナのこけら落としとなったシーホース三河戦に挑んだ滋賀の前節の第1戦は、テーブス海が欠場する中、先発ポイントガードとして出場した柏倉哲平が3本の3ポイントシュートでチームを牽引。また、ケルヴィン・マーティンがチームハイの19得点を挙げるなど外国籍選手も奮闘し、勝利をつかんだ。しかし第2戦は、三河のディフェンスの前に24ターンオーバーを喫するなど、オフェンスを組み立てることすらできず39点差をつけられて大敗。今節はこの課題をクリアにして、良いリズムで3ポイントシュートを決めて勝利をつかみたい。FE名古屋は前節のSR渋谷戦を連勝し、10勝目を挙げた。素早いトランジションと強力な外国籍選手を擁するSR渋谷に対して、帰化選手のルーク・エヴァンスを起用したビッグラインナップを見せると、出場した選手全員が強度の高いディフェンスで相手のオフェンスを停滞させた。オフェンスでは第1戦こそ3ポイントシュートが当たらず苦しい時間が続いたが、第2戦は11本沈めてリードを奪い、B1昇格後初の100点ゲームで連勝を飾った。リーグ2位の平均87.9得点をマークしているSR渋谷を2試合とも70点台に抑え込むディフェンスはチームの持ち味となっており、今節で手応えをつかむことができた。強豪ひしめく西地区の中で勝ち星を積み重ねるためにも、同地区のライバルから勝利したいところだ。