終盤の金近のファウルトラブルを乗り越えて逃げ切り
東海大と白鴎大によるインカレバスケ男子決勝戦は1ポゼッション差を争う接戦となった。
序盤は東海大のゾーンディフェンスが冴えわたる。金近廉が身体を張り、周りがすぐさまダブルチームに行くことで、白鴎大の強力なインサイド陣を自由にさせずに失点を防いだ。リバウンドへの意識も高くオフェンスリバウンドを与えずに速攻に繋げるなど、終始東海大のペースで試合が進み15-2で第1クォーターを終えた。
だが、第2クォーターに入ると冷静さを取り戻した白鴎大の時間に。ギバ賢キダビングがペリメーターでボールを受け、ジョエル・モンガがゴール下でスコアする得意のハイ&ローが出ると、森下瞬真がチーム初となる3ポイントシュートを沈めて勢いに乗る。オフェンスが機能し始めたことでディフェンスの強度も増し、森下のスティールから速攻に繋げ、モンガのダンクが飛び出すなど、4点差まで詰め寄った。
白鴎大の流れに飲まれ得点が止まっていた東海大だが、ドライブからのキックアウトで生まれた数少ないフリーのシュートチャンスで、確実に3ポイントシュートを沈めたことで悪い流れを断ち、27-17とリードを2桁に戻して前半を終えた。
後半に入ると、互いに得点ペースが上がっていく。東海大はエースの金近が2本の3ポイントシュートを含む8連続得点を挙げるが、白鴎大もモンガがインサイドで着実に加点していく。それでも、ゾーンディフェンスに慣れ始めた白鴎大がわずかに上回る。ここまで2得点に留まっていた関屋心がタフな3ポイントシュートを沈め、脇がフリースローを決めてついに1ポゼッション差まで迫り最終クォーターを迎えた。
そして、第3クォーターの勢いを継続させた白鴎大は開始1分半、嘉数啓希がタフな3ポイントシュートを沈めてついに逆転に成功した。その後、一進一退の攻防が続いたが、4点リードの東海大は残り5分6秒に、リーディングスコアラーの金近が個人4つ目のファウルをコールされてベンチに退いた。最大のピンチだったが、再びゾーンディフェンスでこの窮地を乗り切ると、5点リードの残り1分半に金近を戻し、その金近がリードを3ポゼッション差に広げるミドルシュートを決めた。その後、白鴎の反撃を受けるも、同点を狙った森下の3ポイントシュートが外れ、東海大が最終スコア54-51で勝利し、2年ぶり7回目の優勝を果たした。