シーソーゲームが続く中、笹山貴哉の得点で流れを引き寄せる
12月11日、ファイティングイーグルス名古屋はアウェーでサンロッカーズ渋谷と対戦した。第1戦と同じく前半まで得点を取り合う展開となるが、「第3クォーターからピック&ロールやポストプレーに対してダブルチームを仕掛けて止めることができていた」とFE名古屋の川辺泰三ヘッドコーチが称賛したように、持ち味のディフェンスからトランジションゲームを仕掛けてSR渋谷を突き放し、100-76で勝利。FE名古屋はB1昇格後、初の100点ゲームとなった。
試合序盤は、前半だけで22得点を叩き出したSR渋谷のジェームズ・マイケル・マカドゥが1対1からリングにアタックし続けてインサイドを圧倒。マカドゥを中心にインサイド陣が奮闘したSR渋谷が8-0のランを成功させて主導権を握った。また、ディフェンスでは、FE名古屋の外国籍選手がボールを持つとすぐさまダブルチームを仕掛けてターンオーバーを誘発。ダブルチームを仕掛けたことでフリーでシュートを決められてしまう場面もあったが、失点以上にマカドゥの得点が上回り、25-21でSR渋谷が最初のクォーターをリードして終えた。
4点を追いかけるFE名古屋は、第1クォーター以上にタフなディフェンスを仕掛けてイージーシュートを許さない。また、一人ひとりのディナイの強度も高く、SR渋谷のオフェンスを停滞させる。相手の得点が止まっている間に、インサイドの外国籍選手同士の合わせから得点を重ね、第2クォーター残り3分40秒に1ポゼッション差に迫った。第1戦ではチームで3本しか決めることができなかった3ポイントシュートを、この日は前半の終盤に連続で決めて逆転。アウトサイドシュートを含む8-0のランを成功させたFE名古屋が4点のリードを奪い返して試合を折り返した。
第3クォーターが始まると、早々にルーク・エヴァンスがミスマッチを突いたプレーからバスケット・カウントを成功させる。その後マカドゥにフリースローを与えてしまうも、途中出場の笹山貴哉がボールコントロールからピック&ロールを駆使してインサイド陣の得点を演出し、残り7分の時点でリードを2桁に広げた。
最終クォーターに入ると、第3クォーターではボールコントロールに徹していた笹山が切れ味鋭いドライブからブロックをかいくぐるフローターを決めるなど7得点をマークしてチームを勢いづける。ディフェンスでは、インサイドにボールが入るのを見るとすぐさまダブルチームを仕掛けて攻撃の芽を摘むなど、全員がプレッシャーのかけたディフェンスを披露。攻守でやりたいバスケができたFE名古屋はその後、チームハイの21得点をマークしたジョナサン・ウィリアムズが1対1から得点を量産し、残り5分47秒に24点差まで広げて勝負を決めた。
今シーズン初の同一カード連敗を喫したSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは次のように反省を口にした。「一つのミスから崩れてしまった印象です。(FE名古屋は)ウチの外国籍選手に対してのディフェンスが素晴らしく、ワイドオープンを作ることができませんでした。また他の日本人選手はシュートを打てていましたが、その前のパスの精度を狂わされシュートが落ちてしまいました。良いシュートを打つためにも、まずはシンプルにボールを展開できるようにしないといけないです」