大野篤史

河村「シュートは決められてもOKみたいな雰囲気はありました」

三遠ネオフェニックスは横浜ビー・コルセアーズとの第1戦を73-93で落とし、連敗を5で止めることはできなかった。5連勝で中地区首位に躍り出た時期もあったが、この6連敗によってついに黒星が先行し、横浜BCに抜かれて中地区4位まで順位を落とした。

横浜BCは前節の宇都宮ブレックス戦の2試合合計で平均33.0得点、9.5アシストを記録した河村勇輝がチームを牽引している。第1戦でも河村は19得点9アシスト2スティール(0ターンオーバー)と素晴らしい数字を残した。大野篤史ヘッドコーチはそんな絶好調の河村に対し、得点よりもアシストをケアする守り方を選んだ。しかし、「実際は30点以上の傷を彼に負わされた」と、ディフェンスの遂行度の低さを嘆いた。

「河村選手に30点取られてもいいと伝え、その代わりアシストをしっかり減らすためのディフェンスを用意してきました。それでも彼にボールプッシュされてアシストもされて、なおかつ得点も入れられました」

バスケットボールはテニスのようなラブゲームはなく、すべてを守ることができないために守りどころを絞る。河村に得点が偏ることをよしとしたがその守り方を徹底できず、他の選手にバランス良く得点を取られる最悪の結果となった。

「ズレを作りたくなかったので、ビッグマンがヘルプに行かないようなディフェンスを用意しましたが、ヘルプに行っていないにもかかわらずセカンドチャンスポイントで22点。これではゲームにならないです。止めどころをどこにするのかを含めて、止めるところを止める。止めきれないところに関しては決断をする必要はないので、自分たちのオフェンスにフォーカスしていくようにしたいです」

ただ、第3クォーターには河村のフィールドゴール7本をすべて外させて、フリースローの1得点のみに抑えるなど効果的な時間帯もあった。河村も試合を通して三遠がアシストを警戒していることは肌で感じていたが、それを逆手に取ることができたと言う。「天皇杯の時から、アシストを消すようなディフェンスだったり、シュートは決められてもOKみたいな感じの雰囲気はありました。チームメートが決めてくれて、その中で今日は9アシスト。相手がやられたくないことをうまくやることができれば、相手のゲームプランを崩せます」

河村が言うように、相手のやりたいことを察知してその作戦を無にするようなプレーができれば主導権を握りやすい。三遠がどこを守りにきて、横浜BCがそれに対しどんな攻め方をするのか。プレーだけでなく、こうした頭脳戦にも目が離せない第2戦となる。

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