自分のシューズからナイキのロゴを剥がしたものを着用
カイリー・アービングは反ユダヤ主義的な内容を含む映画へのリンクをSNSに投稿し、ネッツから出場停止処分を受けた。正式な謝罪の後に処分は取り消され、彼はコートに戻って来たが、その余波は大きい。彼はNBAキャリアをスタートさせた時からナイキと契約を結んでおり、3年後から『カイリー』の名を冠したシグネチャーシューズが発売されてきたが、その契約が今回打ち切られた。
カイリーにはこれまでも様々なトラブルがあったが、それまで何も問題視していなかったナイキが、今回の一件ではすぐに契約停止に動いた。ナイキの共同経営者の一人は「彼は一線を越えた。だから関係を終わらせた」とコメントしている。
カイリーは今もNBAで最もスキルのある選手の一人で、実力は申し分ない。しかし、周囲との軋轢を気にしない性格で、最近はトラブルばかりが注目される。キャバリアーズでNBA優勝を勝ち取ったが、レブロン・ジェームズが主役で自分は脇役なのを好まずに移籍を選択。セルティックスでは自分がチームリーダーになるはずだったが、若い選手たちとフィーリングが噛み合わずにネッツへと新天地を求めた。そのネッツでは新型コロナウイルスの流行を受け、ワクチンを接種しないことでプレーに支障が出た。特に昨シーズンはホームゲームに出場できないトラブルでネッツを悩ませている。
『カイリー』のシューズは人気が高く、新たなモデルも発売される予定だったが、ナイキは契約を打ち切った。これが正式に決まった後、12月7日のジャズ戦でカイリーは、自分のシューズからナイキのロゴを剥がして右足の側面に「僕はフリーだ」と、左足には「ここにロゴ」というメッセージを手書きしたものを履いてプレーした。
トラブルは抱えているが、変幻自在のステップワークと多彩なフィニッシュスキルは唯一無二で、ナイキの全バスケットボールシューズの中でもトップ5に入る人気があったというカイリーだけに、新たなメーカーがオファーを出す可能性もある。カワイ・レナードを抱えるニューバランスがその一番手だと言われるが、何らかの決定が下されるまで「僕はフリーだ」のようなシューズを使ったアピールが形を変えて続けられるかもしれない。
カイリーとネッツの契約は今シーズンで切れる。これからその動向に注目が集まると同時に、カイリーがどのユニフォームを着るのかと同じぐらい、どのシューズを履くのかも気になるところだ。