A東京を撃破した信州ブレイブウォリアーズの前田怜緒「皆さんの声援があったからこそ最後まで足が動いた」

A東京を撃破した信州ブレイブウォリアーズの前田怜緒「皆さんの声援があったからこそ最後まで足が動いた」

2022/12/08 12:15
前田怜緒

指揮官も称えるリーダーシップ「どんな状況でも仲間に言葉をかけています」

天皇杯4次ラウンドで信州ウォリアーズは敵地に乗り込んでアルバルク東京と対戦。熊谷航、岡田侑大、生原秀将の主力3名を欠き、ベンチ入りわずか8名の逆境を乗り越え80-72で競り勝っている。

立ち上がりは互角となったが、第2クォーターに入ると信州は攻守の素早い切り替えからのトランジションオフェンスを繰り出し、このクォーターでそれぞれ8得点を挙げた前田怜緒、アンソニー・マクヘンリーを中心に高確率でシュートを決めていく。また、積極的なアタックを繰り出すことで、A東京をファウルトラブルに追いやりフリースローだけで13得点を記録した。その結果、29-18のビッグクォーターを作り出し、12点をリードして前半を終える。

後半に入っても信州のペースは続くが、特に第3クォーター終盤にA東京の前から当たるディフェンスの圧力に屈してリズムを崩すと、ミスも重なって8連続失点を許し、58-64とリードを縮められて第4クォーターに突入する。だが、この悪い流れを前田の連続得点によって断ち切ると、リーグ随一のインサイド陣を有するA東京の徹底したインサイドアタックに対し、最後まで強度の高いディフェンスを継続することで対応し常に2ポゼッション以上のリードを保った。そして残り38秒、ジョシュ・ホーキンソンがダメ押しの19得点目を決めて逃げ切った。

信州の勝久マイケルヘッドコーチは次のように選手たちの頑張りを称え、ファンへの感謝を強調する。「選手たちの遂行力が良かったとか、悪かったとか言うより、とにかく勝利を信じて40分間戦った結果です。アウェーでの水曜のナイトゲームにもかかわらず来てくれた、たくさんのブースターさんと一緒に味わえた本当に大きな1勝です」

指揮官が言及したように、この試合の信州は8人全員がそれぞれステップアップした。ただ、その中でも際立っていたのが前田だ。熊谷、生原と本職の2人が欠場したことで慣れないポイントガードとしてフル稼働し、14得点9アシストを記録。6ターンオーバーを喫してはいるが、勝久ヘッドコーチは「ターンオーバーが関係ないと言うのは嘘ですが(笑)、それが気にならないくらいチームを引っ張ってくれています」と、リーダーシップを絶賛している。「どんな状況でも勝利を信じて仲間に言葉をかけています。彼の目を見ると戦うスピリットが素晴らしくて、今の評価は非常に高いです。この調子でチームを引っ張り続けてもらいたいです」

前田怜緒

「タフな時に頑張れるのが信州ブレイブウォリアーズだと思います」

そして前田は「40分、本当に走り続けないと強い相手には勝てないと分かっていました。第1クォーターからトランジションオフェンスをずっとやっていて、それがフィットしました」と勝因を語ると、逆境に強いのが信州の持ち味と胸を張る。

「厳しいスケジュールの中で、さらにプレーできるのが8人と、皆さんが思っているくらいタフな状況でした。ただ、タフな時に頑張れるのが信州ブレイブウォリアーズだと思います」

また、慣れないポイントガードでのプレーについて「試合を通してずっとプレーしたことはないですが、できない訳ではないので、やるしかない気持ちでした」と腹をくくって臨んだと明かす。「(ポイントガードは)ボールを触る回数が多く、それでリズムを取れるので好きな部分はあります。第4クォーターはスタミナ的にきつくてマックさん(マクヘンリー)とかいろいろな選手にボール運びを助けてもらいましたが、問題なくアジャストできたかなと思います」

第3クォーター終盤から最終クォーター序盤の攻防は勝敗を分ける大きなターニングポイントとなった。力強いドライブで連続得点を挙げ、第3クォーターから続く悪い流れを断ち切った第4クォーター序盤のプレーについては次のように振り返っている。

「第4クォーターの大事な時間で普段だったら岡とか航さんとかいろいろな選択肢がありますが、今日は最初から最後まで自分がやってやろうという気持ちで臨みました。ターンオーバーも結構ありましたが、アタックをし続けて、周りを生かせるパスも結構出せたので良かったと思います」

冒頭で触れたように故障者が続出し、かつ週末に京都でアウェーゲームを戦って中2日で東京での再びアウェーゲームと、心身ともに信州はタフな状況に置かれていた。前田も「個人的にこの数週間はレギュラーシーズンで連敗もしてケガ人も増えて、プライベートでもちょっとメンタルにくるようなことがあって、本当にしんどい時期でした」と率直な気持ちを明かす。

ただ、その苦しい中でも気持ちを奮い立たせてハードワークを続けることができたのは、プロバスケ選手としての矜持とファンの声援があるからだ。「僕たちはプロとしてやっていて、お金を払って試合を見に来てくださるブースターさんがいる以上、情けない試合をしてはいけないとみんなで話していました。応援してくださっている皆さんの期待を裏切ってはいけない。ケガ人のためという気持ちに、皆さんの声援があったからこそ最後まで足が動いたと思います」

文字通り、チームとファンが一体となって信州は大きな勝利をつかんだ。この良い流れをさらに大きなものとするためにも今週末、ホームで行われるレバンガ北海道戦は確実に勝利を積み重ねたい。そのためには引き続き前田の攻守における活躍が大きな鍵となってくる。

RECOMMEND