活躍の背景を「自信を持ってプレーできているのが大きな要因です」
三遠ネオフェニックスは11月30日の水曜ゲームで敵地へ乗り込み、サンロッカーズ渋谷と対戦した。序盤から互角の展開となったが、勝負どころの決定力でSR渋谷に上回られ82-87で惜しくも敗れた。
現在、三遠は金丸晃輔、ヤンテ・メイテン、カイル・コリンズワースと中心選手3名を欠く苦しい状況にある。しかしこの試合では序盤から佐々木隆成、サーディ・ラベナと若い選手たちが積極的なアタックで得点を重ねた。また、太田敦也、根來新之助といったベテラン勢がSR渋谷の外国籍選手を相手に身体を張ったディフェンスで食い止めるなど各選手たちの奮闘は光っており、敗れたとはいえチームの底力を感じさせる戦いだった。
三遠のオフェンスを牽引した佐々木は、過去2シーズンは熊本ヴォルターズの主力ガードを務めており、B1で本格的にプレーするのは今シーズンが初めてとなる(2018-19シーズンは大阪エヴェッサで特別指定選手として8試合に出場)。熊本時代は1試合平均で2桁得点を超えたことはなかったが、この試合では18得点6アシストを記録するなど、ここまで14試合に出場して平均12.1得点、3.6アシストを挙げている。代表ウィーク明けと11月に入ってからの5試合に関しては平均16.2得点、4.8アシスト、2.0スティールと司令塔としてリーグ屈指のパフォーマンスを見せている。
「シュートは水物なので入る時も入らない時もあって、今日はたまたま入っただけです。接戦になったのはチームメートのディフェンスなどが要因だったので感謝したいと思います」。このように試合を振り返った佐々木は、B1で開幕からプレーするのが初めての中、こうして見事な活躍をできている背景を周囲のサポートのおかげと強調する。
「B1はどういうレベルなのか、分からずに入りましたが、シーズンが始まる前の段階で大野(篤史)ヘッドコーチだったりたくさんのスタッフの方が僕の自信を高めてくれました。今は自信を持ってプレーできているのが(活躍の)大きな要因です」
また、B1とB2ではフィジカルレベルなどいろいろな違いがあると言われるが、その違いに最初から戸惑うことはなかったと続ける。「スタッフとチームメートが僕を信頼して動いてくれているので、消極的にならずに自信を持ってプレーできていると思います」
「もっとスポンジのように成長していきたい」と貪欲に成長を目指していく
この『自信』に関してだが、大野ヘッドコーチは加入当初の佐々木について「自分をロールプレーヤーだと思っていたので最後にボールを離したがる」と振り返る。そして、もっと自分を信じて積極的にプレーして欲しいと考えている。「ボールを持って自分がシュートを打っていく、自分が最後にゲームを決めるという責任を持つプレーヤーになれると口を酸っぱくして話をしています。今は良いパフォーマンスをしていますけど、もう少しやれるかなと思っています」
この周囲の声かけやここ一番の場面でコートに送り出されることで、彼のメンタル面は着実に変化している。「終盤の大事な場面で使い続けてくれているといった起用法からも信頼していただけていると感じられます。最初は責任感とかなかったですが、今は自分がやるんだという気持ちを持っています」
そもそも複数のオファーがある中、三遠を選んだのは環境の良さに惹かれたからだと話し、自分の選択が間違っていなかったと強調する。「大野さんの存在も大きかったですし、チームの構成などを聞いて総合的に成長できるチームはどこかとなった時に三遠でした。経験豊富なスタッフや、山内(盛久)さんなど先輩の選手にいろいろと聞ける環境なので、もっとスポンジのように成長していきたい。今は入って本当に良かったと思います」
理想的な環境でプレーすることで、佐々木は心身ともにたくましさを増している。このまま彼が右肩上がりで成長を続けた時、シーズン終盤にはどんなプレーを見せてくれるのか。三遠というチームだけでなく、彼の進化の過程も楽しみだ。
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