イビチャ・ズバッツ

ファウルアウトで30リバウンドに届かず「自分に腹が立った」

イビチャ・ズバッツにとっては間違いなくNBA7年のキャリアで最高の試合となった。ホームにペイサーズを迎えた試合、第1クォーターから8本中7本のシュートを決めて14得点、さらには9リバウンド2ブロックとゴール下を制圧し、その後もゴール下で存在感を発揮し続けた。31得点29リバウンド3アシスト3ブロックと、モンスター級のスタッツを残した。

ペイサーズもスティールからの速攻連発でズバッツのいないところで点を取って食らい付いたが、後半になると失速。リバウンドで62-39と大差を付けられ、速攻以外では良い攻めの形が作れず、3ポイントシュートも21.4%と不発では戦えない。第4クォーターの約半分が過ぎたところで79-97と点差が開くと、早々に主力を下げて負けを受け入れることになった。

114-100で勝利したクリッパーズはズバッツ以外にも5人が2桁得点。特にベンチから出たジョン・ウォール、ノーマン・パウエル、モーゼス・ブラウンが2桁得点を記録し、勝敗が決するまで勢いが落ちなかった。それでもやはり、この日の主役はズバッツだ。

試合後の会見でズバッツは「素晴らしい気分だよ」と笑顔で語る。「前半を終えて16得点15リバウンドだったから、30得点30リバウンドも狙えると思った。でもとにかく可能な限りのリバウンドを取りに行くつもりだった。特にオフェンスリバウンドに積極的に行ったことが試合のポイントになったと思う」

「いつもは20得点20リバウンドを狙っているんだけど、今日は30得点30リバウンドのチャンスが来て、本当に達成したかったのに、1つだけ足りなかった。悔しいけど、自分にそのポテンシャルがあることが分かった。それに、カリーム(アブドゥル・ジャバー)と比較されるスタッツを出せるなんて、信じられない気持ちだよ」

残り3分40秒で個人6つ目のファウルを犯してファウルアウトに。それがなければ、あと1リバウンドを取ることは簡単だったはずだ。「あとリバウンドを1つ取ればいいのに退場してしまう自分に腹が立ったよ。でも、あれは仕方ないんだ。僕は誰かがレイアップに行くたびにブロックを狙うし、そのスタイルを変えるつもりはないからね」

会見でズバッツが着ていたのは、赤と白のチェック柄、クロアチア代表のユニフォームだ。サッカーのワールドカップ期間中であり、この日はクロアチア代表が大会2試合目を戦っていた。カナダを相手に4-1の快勝を収めた試合に「元気をもらったよ」とズバッツは言う。「良い試合だったよね。次のベルギー戦にも勝ってもらわないと(笑)」

サッカーの代表チームの活躍が刺激になったのかもしれないが、この活躍は偶然ではない。今シーズンは開幕から絶好調をキープしており、試合を重ねるごとにズバッツは自信を深めている。

「アグレッシブに行ったことで結果を出すことができた。これからも最初からそのメンタリティで試合に臨みたい。良い勝ち方ができたから、次の試合に繋げたいんだ。これからも確実に自分の仕事を果たしたい。相手に簡単にシュートを打たせず、ディフェンスでチームに貢献したい。ウチには優れたアウトサイドディフェンダーが揃っているから、あとは僕の仕事だ」