バイウィーク明け4連勝を飾る「常に出場できるメンバーで全力を尽くす」

群馬クレインサンダーズは11月27日、ホームに大阪エヴェッサを迎え90-75で快勝した。前日の第1戦は勝利したものの、試合の入りが思うようにいかず、終始波に乗り切れない展開だった。しかし、第2戦は序盤から猛攻と堅守を見せ、開始5分間を15-0とし、これ以上にないスタートを切って一度もリードを奪われることなく勝利した。

第1戦では、精彩を欠いたエースのトレイ・ジョーンズだったが、第2戦はチーム最多の21得点を挙げる活躍を見せた。ディフェンスもチーム全体で強度が高く、大阪のシュート成功率を下げた。今シーズンから群馬の指揮を執る水野宏太ヘッドコーチが「今シーズンは週末の2試合目を勝ち続けられている」と話すように、1試合目の反省点を2試合目でしっかり修正できているのが好調の要因だ。これで中断期間明け4連勝となり、東地区2位に位置している。

今夏、群馬の移籍の目玉となったのは、琉球ゴールデンキングスから来た並里成だ。シーズン開幕時はケガで戦線離脱を余儀なくされたが、ここまで9試合に出場し、先発出場のポイントガードとして、すでにチームになくてはならない存在となっている。この日は同じポジションの菅原暉がコンディション不良で欠場となり、並里にかかる負担は大きいと思われたが、本人は「誰が抜けようと常に出場できるメンバーで全力を尽くすというベースがあります」と言うように、いつもと変わらないパフォーマンスを発揮していた。

前日の課題をクリアして第2戦は最高の入り方をした群馬は、最大22点ものリードを奪った。しかし、試合終了後の並里は「本当に勝てて良かったです」と安堵の表情を浮かべながらも、ゲームコントロールの難しさを感じていた。「点数が思ったより離れたので、そこからが意外と難しいゲームでした。どのチームでもあり得ることですが、第1戦で勝っていて、今日も序盤から点差が離れていたので、集中するのが難しい状況でした。大阪は後半から上げてきていたので気持ちの入れ方が難しかったです」

キャリア通算5000得点を達成「一緒にプレーしたチームメートには感謝しかない」

試合中、ビッグマンとピック&ロールを仕掛けてオフェンスを組み立てる並里の姿は何度も見られる。昨シーズンまでジョーンズがその役割の大部分を担っていたが、今シーズンは並里がいることでオフェンスの起点が増え、より強力なチームになっている。しかし、この日の並里は8得点5アシストに留まり、シーズン平均と比べると低い数字となっていたが、スタッツ以上にチームを引っ張る存在となっていた。並里は言う。

「難しい展開の中で、とにかくバラバラにならないように意識しました。疲れが重なって、フラストレーションが溜まったり、チームとしてうまくいかない時間帯もありました。みんなが違う方向に行かないように全力を尽くそうとプレーしました」

並里は『ファンタジスタ』と呼ばれ、見る者を惹きつける派手なプレーがピックアップされがちだが、あくまでチームの勝利のために何をすべきなのかを常に考えているプレーヤーだ。「昨日は自分たちのバスケットではないところが出てしまいました。今日は、これまでやってきたことがうまく出せて、チームとしてセイムページでオフェンスやディフェンスができたと思います」

さらに、この日はキャリア通算5000得点を達成したが「チームメートが頑張ってくれたおかげです。今まで一緒にやってきたチームメートに感謝しています」と仲間への感謝の気持ちを忘れない。

次節はアウェーで宇都宮ブレックスと対戦する。現在の宇都宮は群馬と同様に、中断期間明けから4連勝中と好調だ。並里はかつて所属した宇都宮との試合は、今後のシーズンを占う重要なゲームになると考えている。「宇都宮戦が自分たちが強いチームなのかを試される試合になります。タフなゲームになるのは予想していますが、なんとしてでも勝ちたいです」