第3クォーター残り約4分間を16-4として突き放す
サンロッカーズ渋谷vsレバンガ北海道の第2戦は、第3クォーターでビッグクォーターを作ったSR渋谷が90-85で勝利し、第1戦の雪辱を果たした。
立ち上がりから両チームともにディフェンスの強度の高さが目立ち、ボールハンドラーにプレッシャーをかけ、インサイドでもビッグマンがバチバチにやり合って一歩も譲らず、16-16で第1クォーターを終えた。それでも、第2クォーターになるとSR渋谷が3ポイントシュート6本中5本成功と高確率で沈めたこともあり、一時は8点のリードを奪った。また、ビッグマンがインサイドで激しくやり合う中で、渡辺竜之佑がリバウンドに飛び込むことで違いを生み出した。しかし、北海道も粘りを見せ、SR渋谷のハードな守備を受けつつも橋本竜馬が冷静にゲームメークし、チームを落ち着かせる。また、外国籍選手に頼るのではなく、橋本や中野司、高橋耕陽が積極的なアタックから得点へ繋ぎ、38-38と試合を振り出しに戻して前半を終えた。
第3クォーターも残り約4分の時点で50-51と拮抗していたが、SR渋谷が西野曜の高さのアドバンテージを生かして主導権を握った。199cmの西野に対し185cmの中野が付いていたため、西野は積極的にポストプレーを仕掛けて中野からファウルを誘う。また、チームでもインサイドで西野にボールを預けて北海道ディフェンスを引きつけると、キックアウトから関野剛平が3ポイントシュートを沈めるなど、リズム良く得点を重ねていった。ディフェンスでも前線からプレッシャーをかけてベンドラメ礼生がスティールから得点に繋ぐなど、SR渋谷らしく堅守からリズムをつかんでいくことで、残り約4分間を16-4とした。第3クォーターのSR渋谷はターンオーバーを0本に抑える見事なゲーム運びを見せ、2桁リード(66-55)を奪って最終クォーターを迎えた。
最終クォーターに入っても粘り強い北海道に苦戦し3点差まで追い詰められるシーンもあったが、ここぞの場面でライアン・ケリーが3ポイントシュートを決めて突き放し、第1戦の雪辱を果たした。この試合でSR渋谷はケリーが3ポイントシュート7本中5本成功を含む22得点と4スティールを記録し、ジェームズ・マイケル・マカドゥが14得点12リバウンド、ベンドラメ、石井講祐、ケビン・ジョーンズがそれぞれ13得点をマークして勝利に貢献した。
「1勝1敗にできる強さはあるけど、まだ2連勝はできない」
13得点に加えて6アシストを記録したベンドラメは試合後、「サンロッカーズが良い流れを作る時は、ディフェンスから流れを作っている」と言い、勝敗を分けた第3クォーターをこう振り返った。「スティールからの速攻だったり、相手のオフェンスを止めて一本決めると波に乗ってきますし、そうすると自然にチーム全体のディフェンスの強度も高くなってどんどん良い方向にいきます。今日もハーフタイムに全員でディフェンスについて話しましたし、ガードの寺園(脩斗)や橋本選手は縦に切ってくる力があるので、そこだけは気をつけてプレッシャーをかけようと声かけしました」
SR渋谷は前半終了時点でスティールは2本のみだったが、最終的には7スティールを挙げ、相手のターンオーバーから21得点を奪うなど、まさにディフェンスの強度を上げたことでつかんだ勝利となった。
今シーズンは一度も同一カード連敗をせず、第1戦を落としても第2戦で勝ち切るなど、SR渋谷の修正力の高さが目立っている。それでもベンドラメは修正力への手応えより、2連勝し切れていない現状に目を向けた。「昨シーズンから1勝1敗が多いですけど、今シーズンは2勝しないといけない。やっぱり1勝1敗では上には行けないと思っています。1勝1敗にできる強さはあるけど、まだ2連勝はできない。あと一歩上のレベルにステップアップできないところがあるので、そこは今シーズンの課題かなと思います」
まだシーズンの3分の1も終わっていないが、ベンドラメがこう語るのは昨シーズンの苦い経験があるからだ。昨シーズンのSR渋谷はレギュラーシーズン最終戦までチャンピオンシップ進出の可能性を残していたが、最終戦で千葉ジェッツに敗れてポストシーズンに進むことなくシーズンを終えた。だからこそベンドラメは「昨シーズンはあと1勝でチャンピオンシップに行けなかったことを考えると、こういった1勝1敗があとあと響いてくると感じているので、今は連勝できていない印象の方が強いです」と危機感を語った。
そして、ベンドラメは「連勝することで勝ち方が分かってくると思うので、何が正解かは分からないですけど、とにかく連勝することが大事です」と、早い段階で連勝する力を身につけたいと意気込んだ。