ラプターズのOG・アヌノビーはプレースタイルの変化に順応しつつNBA屈指のオールラウンダーであり続ける

ラプターズのOG・アヌノビーはプレースタイルの変化に順応しつつNBA屈指のオールラウンダーであり続ける

2022/11/27 18:00
OG・アヌノビー

いまだ潜在能力は出し切れておらず、さらなる成長にも期待

43分もプレーしたルカ・ドンチッチのフィールドゴールアテンプトを今シーズン最少(タイ)の15本に抑え込んだOG・アヌノビーのディフェンスにより、マーベリックスを下したラプターズは、10勝9敗と勝率5割をキープしています。エースのパスカル・シアカムが10試合を欠場しているにもかかわらず、粘り強い戦いぶりが光ります。

ここまでリーグトップの2.4スティールを記録するアヌノビーは、リーグ3位となるトータル71回のディフレクションに、リーグトップの26回のルーズボールリカバーも記録しており、マンマークでボールを奪うだけでなく、読みの鋭さを生かして想像もつかない距離からもパスに手を出してきます。アヌノビーのディフェンスは相手に脅威を与えているのはもちろん、ラプターズ最大の得点源である速攻の起点にもなっています。

ルーキーシーズンからプレーオフでレブロン・ジェームズをマークするなど、ディフェンス能力を高く評価されてきたアヌノビーですが、ここ2シーズンは欠場が多かったことに加えて、チーム事情にも振り回されました。昨シーズン途中までは3ポイントシュートからゴール下まで広い守備範囲を生かして、チームディフェンスのカバーとローテーションにおいて多くの役割を担いましたが、チームがビッグラインナップを志向したことでアヌノビーの役割も大きく変わりました。

ガードが多い布陣の中で、フィジカルの強みを生かしてセンターのマークを担当し、そこからカバーやローテーションに動いていたのが、急にガードやウイングとのマッチアップが基本となりました。自分のマークを捨ててでも危険なスペースを埋めることや、次の展開を予測した大胆なポジショニングなど、オフボールのディフェンス担当だったのが、ドンチッチを始めとする相手エースを消しに行く、オンボールのディフェンス担当へと変化したのです。

求められる能力が異なるため難しい対応であるはずが、アヌノビーは問題なく対応したどころか、ボールに絡む機会が増えたことで明確にディフェンススタッツを上げてきました。スティールでもブロックでもキャリアハイを記録しており、アヌノビーにマークされるとシュートを打つだけでも簡単ではありません。

また面白いことに、スティールを量産して速攻のチャンスを生み出すアヌノビーがコートにいる時間帯に、ラプターズは試合のペースを落としてしまいます。これは粘り強いディフェンスで相手のオフェンスに時間をかけさせるだけでなく、オフェンスがミスで終わりそうになった時に、アヌノビーがルーズボールやオフェンスリバウンドなど『攻守の際』の戦いを制し、オフェンス機会を増やしていることも関係しています。

シュートの効率性を示すTS%(トゥルー・シューティング・パーセンテージ)において、ラプターズはリーグ29位と極めて悪いにもかかわらず、ポゼッションあたりの得点効率を示すオフェンスレーティングは11位と健闘しています。シュートの効率が悪いのに得点が奪える構図は、リーグ2位のオフェンスリバウンドでチャンスを増やし、リーグ4位のターンオーバーの少なさでミスを減らしているからです。アヌノビーのハードワークはラプターズのオフェンスにおいて重要な意味を持っているのです。

オフェンスでも平均18.9得点でキャリアハイのシーズンとなっていますが、6年目のシーズンで20得点を超えていないのは物足りなくも感じます。ディフェンスでの貢献の大きさを考えると、さらにオフェンスでエース級の活躍を求めるのは酷ではありますが、アヌノビーが持つ能力を考えるとはるか上の高みも目指せる気もします。これだけのスタッツを記録しながら、まだ伸びしろを感じさせるパフォーマンスを見せているシーズンとなっています。

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