ミスが多く、ともにピリッとしない前半
千葉ジェッツvs大阪エヴェッサ第2戦。ターンオーバーが多く互いに流れをつかめない展開が続いたが、千葉がディフェンスから走る得意な形が出た後半を46-25と圧倒し、大勝を収めた。
マイケル・パーカーのスティールからアキ・チェンバースの速攻、富樫勇樹からギャビン・エドワーズのアリウープが飛び出すなど、得意のトランジションオフェンスが光った千葉が先行する。だが第1クォーターの速攻からの得点はこの4得点に留まり、突き放すには至らない。
大阪はエグゼビア・ギブソンとジョシュ・ハレルソンのツインタワーを起点に反撃するが、残り3分にファウルコールに激昂したギブソンがテクニカルファウルを取られ、第1クォーターに3ファウルと危機的状況に陥った。それでも藤髙宗一郎や熊谷尚也が積極的にリングにアタックして得点に繋げるなど、チームでカバーして互角の展開に持ち込んだ。
その後は両チームとも堅守を見せるも、オフェンスファウルを犯したり、3ポイントシュートが決まる前に3秒バイオレーションをとられるなど、互いに決定打に欠く展開が続く。第2クォーターだけで両チームともターンオーバー8を犯すなど、流れをつかむことができず、35-34と千葉の1点リードで前半を終えた。
それでも千葉は、試合後に大野篤史ヘッドコーチが「後半しっかり修正してディフェンスから自分たちのトランジションオフェンスに持って行けたのが勝因」と語ったように、後半から違いを見せる。
一瞬の破壊力が光り連日の大勝
千葉はディフェンスの強度を上げ、ボールプレッシャーを強めたことで、大阪オフェンスの停滞を生んだ。そしてタフショットを誘発したことで、得意の走る展開が出始めた。第3クォーター残り2分50秒から、アキの速攻、富樫のドライブ、西村文男とジョシュ・ダンカンの3ポイントシュートが決まり、約90秒で9-0と走ってリードを2桁に乗せた。
富樫のフローターシュートで第3クォーターを締めた千葉の勢いは終盤も止まらない。オフェンスリバウンドをしっかり展開し、オープンな状態で放つ3ポイントシュートを確実に沈め、15点前後のリードを保った。
千葉は強度の高いディフェンスの代償として、残り7分にダンカンが、残り6分にギャビンが4ファウルと、インサイド陣がファウルトラブルに陥ってしまう。それでもここで受けに回らず、攻守ともにアグレッシブな姿勢を貫いたことが功を奏し、8本のフリースローを与えるも、フィールドゴール成功率を27.3%(11本中3本成功)に封じる。
ディフェンスでリズムをつかんだ千葉は、5本中4本の3ポイントシュートを沈めるなど、大阪とは対照的に確率の良いオフェンスを展開。攻守が噛み合った千葉は苦戦しながらも、最終スコア81-59と大差をつけて大阪に連勝した。
ディフェンスマインドを再認識した千葉
大野ヘッドコーチは「第3クォーターからマインドセットして、ディフェンスの強度を上げたことで、相手のボールムーブメントを止めて、ディフレクション(手にボールをひっかけ、ドリブルやパスをそらせる)、スティールが増えた。それによって良いリバウンド、良いファストブレイク、ズレの中からオープン3ポイントシュートがありました。結果的にこの点数が自分たちが勝った要因だと思っています」と総括した。
前半はターンオーバーも多く苦戦したが、後半に立て直し、終わってみれば20点差の大勝を収めた。「ディフェンスをやらないと、自分たちのファストブレイクポイントは上がってこない。それがなければ自分たちのオフェンスは1クォーター、2クォーターくらいのものだということを選手たちも実感できたと思う」と指揮官は語り、あらためて千葉のバスケットはディフェンスが根幹にあるということを実感した。
一方、敗れた大阪の穂坂健祐ヘッドコーチは「前半は昨日よりもプレッシャーをかけたり、良いオフェンスの形で終わって千葉さんの得意な部分を出させなかったですが、後半になると疲れだったり、細かいエラーが出てしまって、千葉さんの得意な展開ににさせてしまった」と試合を振り返った。
ここまでホーム開催が多かった千葉だが、次節はジョシュ・チルドレスが復帰した三遠ネオフェニックス、その次は西地区首位を走る名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのアウェーゲームが待ち受け、気の抜けない対戦が続く。