アルバルク東京

1点リードで迎えた第4クォーターを26-15と圧倒して勝利

代表ウィークによる中断期間を経て迎えたBリーグ第6節、横浜ビー・コルセアーズvsアルバルク東京の第1戦は、接戦の末にA東京が82-70で勝利した。

立ち上がりはA東京が堅守で主導権を握った。小酒部泰暉がハードなディフェンスで河村勇輝に自由を与えず、さらにチームでも河村に対してスイッチやダブルチームで対応することで開始3分間を10-3とした。

一方、河村は激しい守備を前にゲームを組み立てることができなかったが、オフボールでも動き回ってディフェンスを引きつけてスペースを作り出すことで、横浜BCがリズムを取り戻す。さらに森井健太やキング開がベンチから出場してチームに勢いを与えて点差を縮めていくと、再びコートに戻ってきた河村がチームを牽引する。ゲーム序盤こそA東京の守備に苦戦したが、試合が進むにつれてアジャストしていき、第2クォーター中盤には3ポイントシュートラインから1メートルほど離れたところからのディープスリーを沈めて1点差(24-25)に。その後も河村はディフェンスリバウンドからボールをプッシュして、前を走るチャールズ・ジャクソンの速攻をアシスト。ジャクソンはこのプレーで3点プレーとなるバスケット・カウントを成功させて、前半残り約3分で横浜BCが31-31とA東京に追いついた。

それでも、ここからA東京が冷静なゲーム運びを見せる。安藤周人とセバスチャン・サイズのピック&ロール、そして田中大貴がミドルシュートを沈めるなど、ベテラン勢が冷静に試合をコントロールした。ディフェンスでもサイズがデビン・オリバーのレイアップをブロックで阻止し、残り約3分間を7-1としたA東京がリードを取り戻して38-32で前半を終えた。

横浜の6点ビハインド(32-38)で迎えた後半、須藤昂矢や河村の連続3ポイントシュートで主導権を握ると、残り6分半には河村とジャクソンのツーメンプレーで44-43とついに逆転。その後は互いに譲らずリードチェンジを繰り返す展開に。

そして、56-55とA東京の1点リードで迎えた最終クォーター。ジャスティン・コブスとザック・バランスキーの連続得点でA東京がリードを広げると、残り7分からの約2分間で安藤周人が連続8得点を決めて横浜BCを突き放した。安藤はスローインからのセットプレーでミドルシュートを決めると、続くポゼッションではスティールからの速攻を沈めた。その後もペイントアタックからのフローターなど冷静なプレーを見せて、A東京がリードを2桁(71-61)に広げてオフィシャルタイムアウトを迎えた。その後も横浜BCに3ポイントシュートを許したりしたが、アレックス・カークが3ポイントシュートにゴール下でのバスケット・カウントと連続6得点を決めたA東京が、最終クォーターを26-15と圧倒して勝利した。

この試合でA東京はカークが21得点9リバウンド、安藤とジャスティン・コブスがともに14得点を記録。横浜BCもジャクソンが25得点10リバウンド、河村が3ポイントシュート5本中4本成功を含む17得点と8アシストを記録した。

アルバルク東京

「メンタルのフォーカスレベルを下げないでプレーをし続けることが大事」

東地区2位を走るA東京と最終クォーターまでは接戦を見せた横浜BCの青木勇人ヘッドコーチは「A東京は強いチームで、なかなか点数をまくれない時間がありました。ただ、ハーフタイムで修正をかけて第3クォーターで逆転して、どっちに転ぶか分からない展開に持っていけました」と振り返る。しかし、15-26とされ勝負を分けた最終クォーターについて「最後は26点も取られてしまい、もう少しタフさが必要でした。しっかりと守っていても自分たちのターンオーバーやセカンドチャンスから相手に繋がれてしまい、メンタルで折れるきっかけになってしまったかなと思います。ただ、選手はそれぞれの仕事をして、しっかりとファイトしてくれました」と語った。

一方、勝負どころを抑えて接戦を制したA東京の指揮官デイニアス・アドマイティスは「集中力を保てたのが良かったです」と勝因を語る。「ディフェンス面で相手のシューター陣を乗せない守備が最後までしっかりできました。ただ、オフェンスリバウンドをジャクソン選手を中心にかなり取られた印象があるので、明日はオフェンスリバウンドとファストブレイクを許さないことが鍵になります」

この試合では横浜BCに逆転された場面もあったが、それでもそのまま相手の勢いにのまれることなく、冷静に対応して勝利をつかんだ。指揮官は「一番大事なのは集中力」と続ける。「自分たちの流れが来ない時こそ、個人個人が、そしてチーム全体でプッシュして、その時間帯を乗り越えることが一番重要です。メンタルのフォーカスレベルを下げないで自分とチームを信じてプレーをし続けることがこのチーム、このスポーツにおいて大事なこと。選手はしっかりとそれを信じて遂行してくれています」