川崎や新潟にとっては踏ん張りどころの一戦に

名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs川崎ブレイブサンダース
7勝2敗で西地区2位の名古屋Dと、5勝4敗で中地区2位の川崎の対戦。今シーズンの名古屋Dはオフェンスが絶好調で、2ポイントシュートも3ポイントシュートも成功率がリーグ1位となっているだけでなく、ターンオーバーも少なく隙のないオフェンスを展開している。ディフェンスでは、相手のターンオーバーを誘発する好守も目立ち、さらなる向上が期待できる。一方、川崎は勝ち星こそ先行しているものの、本来の戦いができていない印象。マット・ジャニングの欠場は思いのほか響いており、3ポイントシュートが伸びずニック・ファジーカスに頼らざるを得ない試合が続いている。仕切り直して流れをつかみたい川崎からすると踏ん張りどころの一戦となる。

千葉ジェッツvs広島ドラゴンフライズ
7勝2敗で東地区1位の千葉Jと、7勝2敗で西地区1位の広島の対戦。直近3試合は相手を50点台に抑えるディフェンスで完勝した千葉J。ジョン・パトリックヘッドコーチが志向するディフェンシブなバスケを遂行できるようになってきた。さらに昨シーズンからのオフェンス力も健在だが、ペースを落としたことでファストブレイクが減り、3ポイントシュートを主体にオフェンスリバウンドをしっかり取るスタイルに生まれ変わっている。一方、5連勝中と絶好調の広島は、スタッツに秀でた数字はないが、その分ウィークポイントも少ない。勝敗にかかわらず、接戦が多く、後半や勝負どころにしっかりと強度を上げられているのが勝利の要因となっている。スペシャルなチームになりつつある千葉Jと試合巧者なゲーム運びで接戦を制する広島の頂上決戦に注目だ。

サンロッカーズ渋谷vs茨城ロボッツ
5勝4敗で中地区3位のSR渋谷と、4勝5敗で東地区5位の茨城の対戦。今シーズンのSR渋谷は完全にオフェンシブチーム。シュート成功率はリーグトップクラスだが、同じくらい良い確率で相手にも決められてしまっている。休止期間を経て、オフェンスに振り切るのか、それとも持ち前のアグレッシブなディフェンスが戻ってくるのか注目だ。一方の茨城もオフェンシブなチームにと言いたいところだが、まだ振り切れていない印象。ペースも早くターンオーバーも少ないので、成功率が上がってくるとチームコンセプトを体現できるだろう。また、休止期間でLJ・ピークのコンディションが良くなっていることを願いたい。両チームとも非常にハイペースなスタイルため、点の取り合いが期待できる。

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大阪エヴェッサvs富山グラウジーズ
3勝6敗で西地区7位の大阪と、2勝7敗で中地区7位の富山の対戦。まだまだ成長途中と思わせる大阪。成功率の良い3ポイントシュートよりも成功率の良くない2ポイントシュートを打つ割合が高く、フリースローも獲得する割に成功率が高くないなど、全体的にやりたいことが遂行できていないが、名将のマティアス・フィッシャーヘッドコーチが休止期間中にしっかり修正してくるだろう。一方、富山もまだまだこれからといった印象。ジョシュア・スミスとブライス・ジョンソン頼みとなる時間帯も多く、若手日本人選手の奮起に期待したい。両チームともインサイドに重量級の選手が多いので、ゴール下の争いの激しさは必至。さらにコーディ・デンプスとディージェイ・ニュービルの外国籍ポイントガード対決も注目ポイントだ。

新潟アルビレックスBBvs群馬クレインサンダーズ
1勝8敗で中地区8位の新潟と、6勝3敗で東地区3位の群馬の対戦。8連敗を喫しリーグ最下位に沈む新潟だけに、ここから再起を図りたいところだ。新外国籍選手のコフィ・コーバーンがチームに合流。ぶっつけ本番のような出場になると見込まれるが、期待は高い。さらにエース級の活躍をしている杉本天昇は古巣対決となるため、今節にかける想いは強いだろう。一方の群馬は、天皇杯4次ラウンド進出も決めて、チームはさらに上り調子。ペイント内の得点やファストブレイクで的確に得点をするスタイルのまま、ターンオーバーを大幅に減らせていることが好調の一端を担っている。この後、東地区上位をキープしていくために、ここまで成功率が上がっていない3ポイントシュートを武器にしていきたい。

秋田ノーザンハピネッツvs三遠ネオフェニックス
4勝5敗で東地区4位の秋田と、6勝3敗で中地区1位の三遠の対戦。秋田というとディフェンシブなイメージを持つ人が多いかもしれないが、今シーズンはオフェンスに助けられていることが多い。逆に敗戦はいずれも70得点以下とオフェンスが停滞している。故障中のケレム・カンターがどのタイミングで復帰するかが今後の鍵を握ってくるだろう。今シーズン序盤のサプライズというと失礼かもしれないが、三遠の躍進を予想した人はどれだけいただろうか。まずフィールドゴール成功率が非常に高く、効率良くオフェンスができている。そしてディフェンスでは、相手のシュート成功率を下げていることはもちろん、ディフェンスリバウンドもしっかり獲得する堅実さがある。オフェンスの秋田vsディフェンスの三遠という見方で観戦しても面白いだろう。