キャブズに加入したJR・スミスを守備に目覚めさせたレブロンの言葉「リーグのトップ5に入るディフェンダーになれる」

2016/12/04
NBA&海外
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写真=Getty Images

キャブズ加入初日、レブロンの一言で守備意識が覚醒

JR・スミスといえば、キャブズに移籍するまではオフェンス偏重型の選手で、当たり出すと止まらない3ポイントシュートを武器とする、いわゆる『Xファクター』という扱いを受けていた。決して守備に力を入れるタイプではなかったスミスが、2015年1月にニックスからキャブズにトレードされて以降、それまであまり見られなかった守備に注力する姿に驚いたファンも少なくないはず。

心機一転の理由は、レブロン・ジェームズからの一言にあった。スミス本人が『Sports Illustrated』とのインタビューで明かしている。

スミスがキャブズに合流した初日のこと。腰のリハビリのためウェイトルームにいたレブロン・ジェームズから、こんな言葉をかけられたそうだ。

「みんな君のことを『オフェンスしかしない』と言っていると思う。でも俺の見立ては違うよ。君ならリーグのトップ5に入るディフェンダーになれると思っているんだ」

この言葉を聞いた瞬間、スミスはジェームズにからかわれているのかと思った。だがすぐに「少し考えてみたら、ひょっとしたらレブロンが正しいかもしれないと思った」と、当時を回想する。「それからは、自分の好きなようにステップバックしてシュートを打つのを止めた。自分の身体能力、スピード、力を異なる部分で使わないといけないと思ったんだ。だから、それらの力を養うメニューをワークアウトに組み入れるようになった」

持ち前の身体能力を生かしたディフェンスで、エースストッパーの役目を任されるまでになったスミス。

レブロンの迷いを断ち切るJR・スミスの一言も

その他にも、スミスはジェームズとのストーリーを明かしている。昨シーズンのNBAファイナル、ウォリアーズとの第4戦を終えて1勝3敗と崖っぷちに立たされた日の夜のことだ。スミスは深夜、ジェームズにメールを送った。

「レブロンには、こう伝えた。『他のメンバーの力を軽視しているわけではないし、敬意を欠くわけでもないけど、君がアグレッシブにプレーしてくれなきゃ俺たちは勝てない。ターンオーバーなんて関係ない。シュートを外したっていい。君には本来のプレーをしてもらわないといけないんだ』とね」

スミスのメールで迷いを断ったジェームズは、第5戦から2試合連続41得点をマークして3勝3敗のタイに持ち込み、そして迎えた運命の第7戦では、27得点11リバウンド11アシストのトリプル・ダブルを達成し、NBAファイナル史上初の1勝3敗からの大逆転優勝を果たした。

ジェームズは、スミスの選手としての力量を分かっていたのだろう。だからこそスミスがフリーエージェントとなった今オフも、一貫してチームに再契約を結ぶよう強く働きかけた。貴重な戦力として、そして自分を支えてくれる仲間の一人として認めているからこその慰留だったとも受け取れる。

とはいえ、キャブズでプレーするまで奔放な印象の強かったスミスが、それまでと正反対の選手に変わったのだから、やはりスーパースターの言動は重みが違う。

スミスの発言で奮起し、驚愕のパフォーマンスでキャブズを優勝に導いたレブロン。