試合には敗れるも渡邊はクロージングラインナップを務める
ネッツがレイカーズのホームに乗り込んだ一戦で、左足首の捻挫により2試合を欠場していた渡邊雄太が復帰。そして、完全復活をアピールする素晴らしいパフォーマンスを見せた。
第1クォーター開始約7分、出番が回ってきた渡邊はいきなり持ち味を発揮する。ヘルプポジションからシュートコンテストに行き、アンソニー・デイビスのゴール下を外させると、そのまま素早く駆け上がりキャム・トーマスの速攻のこぼれ球をプットバックで押し込んで初得点を記録した。さらにラッセル・ウェストブルックとのマッチアップでは読みと軽快なフットワークで3ポイントシュートを打たせずドライブもさせない絶妙な距離感を保ち、タフショットを打たせた。
その後、フリーで放った2本の3ポイントシュートは惜しくもリングに嫌われてしまったが、第2クォーターにはカウンターからドライビングレイアップを決めた。また、マッチアップする相手の一瞬の隙を突いてカッティングをし、レイカーズディフェンスのズレを作るなどオフ・ザ・ボールの動きでもオフェンスを活性化させた。
そして、後半に入っても渡邊の活躍は止まらない。第3クォーター中盤、3ポイントシュートを決められ、ここまでで最大となる16点のビハインドを背負った直後、トランジションから速攻の先頭を走った渡邊はそのままスピードに乗ってボースハンドダンクを成功させる。さらにヘルプからデイビスのシュートチェックに跳び、すぐさま駆け上がると、キャム・トーマスのドライブに合わせてレイアップを決めた。ロイス・オニールの3ポイントシュートが決まった直後のラストポゼッションには、ウェストブルックのプッシュを遅らせたことで、ブザービーターかと思われたマックス・クリスティの3ポイントシュートを防いだ。
ネッツは13得点を固めたデュラントの活躍もあり、3点差まで迫って最終クォーターを迎えた。そのままコートに立ち続けた渡邊はデュラントにマークが集中した瞬間にペイントに飛び込み、ウェストブルックのファウルを受けながらタフなレイアップを決め切った。フリースローもしっかり沈め、3点プレーを成功させた渡邊は得点を2桁に乗せた。
しかし、その後のネッツはタフなマークに苦しんだデュラントの得点が伸び悩むと同時に、シーズンハイの37得点を許したデイビスに連続でセカンドチャンスポイントを奪われるなど徐々に失速。残り3分39秒に18点ビハインドを背負った時点でベンチメンバーに代えて、最終スコア103-116で敗れた。
渡邊は22分45秒のプレータイムで11得点5リバウンド2アシスト1ブロックを記録し、ケガ明けの影響を全く感じさせなかった。また、最終クォーターは頭から出場し、白旗を上げるまでコートに立ち続けたことからも渡邊への信頼が本物だと分かる試合となった。