ネッツのオーナー「彼にはまだやるべきことがある」
カイリー・アービングは反ユダヤ主義の映画をSNSで紹介したことで、ネッツから5試合の出場停止処分を受けた。それから5試合が経過し、現地11月13日のレイカーズ戦は6試合目となるが、カイリーはいまだ出場の目途が立たない。
カイリーは出場停止処分を受けた後に謝罪のツィートをし、13日には「僕は宗教的、政治的な争いに加わったり、人種的な差別や偏見を煽るためにいるわけじゃない」という投稿をしているが、ネッツのオーナーであるジョー・ツァイは「彼にはまだやるべきことがある」として、彼への処分を解いていない。
昨シーズンはワクチン接種の問題でホームゲームでプレーできなかったカイリーは、今もまたコートに立つことができずにいる。ケビン・デュラントと並ぶ『チームの顔』の復帰がいつになるか分からないことは、チーム内に戸惑いを生む。
デュラントは「僕らにはどうしようもない。プレーヤーとして試合や練習に集中しようとするんだけどね」と戸惑いを正直に打ち明け、こう続けている。「彼は誇り高い男だし、バスケをやるのが大好きなんだ。このようなことがすべて終わり、彼がそれを乗り越えて戻って来ることを願うよ」
ニコラス・クラクストンも「いつ復帰するかは全く分からない。レイカーズ戦にも出ないと聞いているし、残念だよ。彼がいつ復帰してもいいように僕らは準備しておくだけだ」と言う。
皮肉なことにカイリーが出場停止になってから、2勝6敗と低迷していたチームは4勝1敗と息を吹き返している。26.9得点を記録するカイリーを欠いた分、ディフェンスが向上して、5試合連続で失点は100を切った。オフェンスにしても、プレーを独占したがるカイリーの不在でチームプレーの意識が増している。
ただ、ネッツがここから立ち直り、長いシーズンを戦う中でチーム力を高めてプレーオフでの上位進出を目指す上で、カイリーの存在は欠かせない。このトラブルをカイリーが乗り越えられるか、そしてプラスへと転じさせることができるかどうか、注目だ。